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輪切りの私

輪切りの私

今朝、病院に立ち寄りしてMRI検査を受けた。MRIとはmagnetic resonance imagingのことで核磁気共鳴画像法という全身輪切りにする検査システムを指す。大きなパン焼き器のようなもので(雪の)カマクラのような形状だ。検体である私はその中に押し込まれることになる。
11時、検査着に着替えてベッドに寝て、その機械の奥に押し込まれて検査を受けることになった。およそ20分間身動きできない状態に“放置”される。

以前に一度脳内出血の後遺症を調べるためにMRI検査を受けたことがあったが、その閉所感に耐え切れず、およそ10分でギブアップのブザーを押して出てきたことがある。それを見ていた家人は普段えらそうなことばかり言っているくせに意気地がないんだからと、軽侮の念を露にしたことが、いたく私のプライドを傷つけた。
これは意気地とか男の沽券とかは関係ないのだ。いわゆる拘禁症状のようなもので、人によって拘束状態に耐え切れないというタイプがあるのだと主張したものの受け入れられず、家族のなかで私はドン・キホーテになった。

 そのことがあったから、今回はぜったいに最後まで非常ブザーを押さないぞと決意していた。検査室に入って気が楽になったのは、機械の構造が開放型に改善されていたことだ。以前の機械は「カマクラ」のように奥が突き当たりになっていて、まさに四囲から圧迫があった。今回の機種は「ドーナツ」型になっていて、顔から上が開放されている。圧迫感が少し軽減されている、ようだ。

耳栓をして、ベッドに固定されるようにして横たわった私はMRIの奥へと送り込まれた。この状態が、まるで火葬炉に送り込まれる遺体を思わせる。この連想がまず不安を狩り立て、不吉感で胸が苦しくなる。ベッドがストップして位置が固定された。頭が輪切りセンサーの外へ出て、検査室の天井が見えて少しほっとした。顔が機械のソトに出ていると気分は落ち着くものだ。

検査が始り、ごーっと機械音が立ち上がった。やがて硬い金属音に変わる。磁器が共鳴する音か。耳を聾するばかりのせわしない不快な連続音。1分ごとに、音の形が変わる。「カッキン、コッキン」「ブンブンブン」。そのうちに言葉になって聞こえてくる。「メシダ、メシダ」「イレロ、イレロ」「デロ、デロ」だんだん悪意が混じってくる。「コワイカ、コワイカ」「キエロ、キエロ」。

10分間は耐えた。脂汗がにじんでくるがなんとか我慢した。閉塞感より、縛りつけられて身動きできないことのほうがパニック度の度合いが高い。動けないという状態にあると、10秒がまるで30分ぐらいに思え、拷問を受けている気分になる。

――恐ろしい刑罰が連想される。
長崎の三尺牢だ。隠れキリシタンの弾圧を陳列したコーナーで見た。80センチ立方の炬燵の櫓のような形で、この狭い空間にキリシタンは体を押し込められたと伝わる。私が見たのはレプリカ(模造品)だったが、こころに焼きついた。
次に、アウシュビッツの酷い制裁を思う。立ち牢といわれる大人がやっと2人入れるほどのロッカーのような狭い空間。ここに三人が押し込められ、座ることもできず1週間放置されたと、アウシュビッツのガイドが語った。空気アナはわずかにあるものの、冬には氷が張ってアナが閉ざされ酸欠になることもあった。この話を聞いたとき吐き気がした。

こういうイメージが土佐の絵金の絵になって現れる。極彩色の泥絵の具が飛び散るような絵金のおどろおどろした修羅。閉じ込められ押さえつけられ、ずたずたに引き裂かれた肉体。飛ぶ血しぶき。脳内をぐるぐる駆け巡る。おまけに間断ない機械音は苛立ちをいっそう強める。すさまじい。
10分ほど経過したところで、中断を願いでる。一旦体を引き出してもらって、シャバの空気を吸う。残りは最短のコースで5分ほどと技師が説明。

再開。最初の検査より拘束感が強まる。なんとか気分を変えたい。変えないと最悪の事態になる。指を動かしてみる。体が揺れるわけではないから技師からのクレームもない。気が紛れる。では指を折りながら数を数えて気を逸らそう。まず、60×5、300数えることにした。右手の指を折り、次に左手を折り、再び右手へを繰り返す。集中しようと思うが、ときおり不快感が火花のようにぱっと広がる。
なんとか220まで数えたとき、機械が停止した。
 
 「終わりました。大丈夫ですか」と検査技師が声をかけてくる。ふらふらしながら起き上がる。ベッドから降りても半ば夢遊だ。着替えて、1階ロビーの会計係まで行き費用を支払う。領収書を見ると6000円余り。途中で止めていれば、みすみす高額の検査料がふいになったのだ。完遂できてよかった。
それにしても、にっくきMRIめ。

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by yamato-y | 2010-05-11 15:04 | Comments(0)
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