カメラマン伝説、その1
カメラマンとは第1義に見る人だ。見たもの、見えたものを撮影するのだ。
それは簡単そうに見えて、なかなかできない。
実際に現場で見たものが、撮影されているとはかぎらないのだ。
逆に、現場にあったと思わなかったものが撮影されていることもあるのだ。
カメラの「目」は馬鹿だから何でも写す。写しこむ。
人の目は、目に入っていても映らないことがある。通いなれた道を
歩いたとき、後で振り返ると何も覚えていないことがある。
これは見ていて、見ていないのだ。
フッサールではないが意識は志向するのだ。
そこに意識が向かないと感覚(この場合、視覚)はない。つまり見ていない。
カメラマンは真に見ている人だ。ぼんやりと見ているのでなく。
これが難しい。天性のものを持つ人もいるが、多くのカメラマンは
職業的訓練でこの才能を培うのだ。
ドキュメンタリーを撮れるカメラマンは、総じて紳士だ。
感情的にならない。大声を出さない。対象者を追い詰めない。
したり顔をしない。
普通の現場でも、修羅場のような形相で怒鳴り散らす
ような人はたいしたことはない。
私が敬遠するカメラマンは、格好つけている人。
形だけを追う人。絵葉書のような画を撮る人。
これからも、カメラマンの肖像を描いていく。
追々、その属性や感性を具体的な人物像で紹介したい。
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敬愛する故Nカメラマンを思い出して