定年再出発 |
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映画「少年時代」
先週末、久しぶりに訪れた京都は寒かった。前日の気温より15度下がって7度。吐く息が白い。 大学の講義室に入ると、今年のクラスは正規メンバーが昨年比べて減った。いささかがっかり。非常勤で来る以上は、もう少し張り合いのある授業にしたいと思うが、少数精鋭が学科の方針だから仕方がない。 所属する20世紀学研究室とは現代文化を研究するセクション。研究対象は映画やテレビの番組、漫画、アニメである。だからS教授の部屋には資料としての映画のDVDが半端でないぐらい収蔵されている。S先生の研究は、戦争の記憶ということで、日本、外国の戦争を主題とした映画のDVDがおよそ200本が、その研究の対象となる。そのなかに、篠田正浩監督作品「少年時代」があった。以前に一度見たことがあって、映画の舞台となる田舎の長い一本道が心に残っている。ただ、この映画では都会からの疎開者が地元の腕白によって苛めにあい、その苛めっ子がまた陰湿にいじめに遭うという暗い話であったと印象が強く、後味が悪かった。その後繰り返し見ることはなかった。 授業を終えて、ホテルに戻ってからこの映画を視聴した。1990年の作品だが、まだ古き良き日本映画の匂いが残っていて、あらためてみた「少年時代」はよかった。篠田は後に「梟の城」や「ゾルゲ」をCG過剰で作り上げるようになり、奥行きの乏しい安い映像には辟易したが、この「少年時代」の頃はアコースティックな画像作りで好感をもつ。脚本の山田太一もオリジナルでよくある説教臭さがなくいい。美術の木村威夫は「長い一本道」の風景を3年かけて造ったというだけあって見事な仕上がりだ。撮影の鈴木達夫も正統な視座を確保していて安心して見ることができた。いただけないのは音楽の池部晋一郎。現代音楽ということで、機知に富んだ作曲ということかもしれないが、軽くてテレビの音楽にしか聞こえない。正統なクラシックか、どうせならたっぷりセンチメンタルな曲想にしてほしいと思った。 さて、このDVDの解説で評論家の木全公彦は、この映画を「映像のテクニックや劇的な大きな物語のうねりよりも」キャラクタリゼーションでまとめてあると指摘している。これはどういう意味であろうか。原作の柏原兵三が紡いだ物語の筋よりも、登場人物の造形(キャラクター)のほうに力点を置かれて映画が仕上げられた、という意味であろうか。 今流行りのキャラクター論をふまえての意見かもしれないが、木全は誤解しているのではないだろうか。キャラクター小説ならぬキャラクター映画という考えは実体にあっていないのではないだろうか。脚本の山田太一もそういうスタイルをとっているとは思えない。仮に都会ものと田舎者という“個性”の相克相愛であっても、その出来事を主体にしているのであって、人物像の性格(キャラクター)描写に主眼を置いていないと、私には思える。 ここでこんなことを持ち出すのは、S教授から薦められた新書『キャラクターとは何か』(小田切博)を読んでいるからだ。小田切は、日本で発達したキャラクター小説とは漫画やアニメで形成されたキャラクターコンテンツを模倣するかたちで書かれたものだとする大塚英志の説に依拠している。そのデンでいけば、キャラクター映画とは漫画原作で造形されたキャラクターを映像化したことになる。この「少年時代」は柏原の小説をもとに藤子不二雄Aが一度漫画として描いているが、だからといって篠田はその造形をモデルにしているとは思えない。むろん、山田太一もそうであって、小説「長い道」には依拠するものの、藤子漫画にはたよっていない。だから、木全がいうキャラクタリゼーションは映画ではない、と私は思う。 監督の篠田はあくまで戦時下の少年の友情を描くというストーリーラインを中心に置き、その配役の演出に工夫をこらしたと考えるべきではなかろうか。 しかし、篠田正浩が映画を撮ることをやめて、もう何年になるのだろう。若い監督は次々に輩出するが、彼のような志をつよくもった監督は絶えて久しい。 しかし、この映画の大エンディングで、井上陽水の「少年時代」が流れてくるのは感動的だ。映画とは夢のなか、ということをあらためて思う。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
by YAMATO-Y
| 2010-04-27 17:54
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Comments(1)
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赤塚取材のときにお会いした椎名町のKです。
ブログ「トキワ荘通り」でもこちらのトキワ荘伝説」をご紹介していたのに去年2月の一連のトキワ荘記事を読ませていただき、今初めて山登さんのブログであることに気付きました。 すみません、なんてお恥ずかしい。 椎名町ではトキワ荘記念碑ができて1年が経過しましたがキャラも原画も持ち合わせないわりには今だに人が訪れてくれます。 今日、仙台の書店で藤子A先生のサイン会(怪物くんの新刊)があったそうですが、こちらでも「愛しりそめし頃」第10巻のサイン会(濃そうだなあ)を夢見ております。 石ノ森・姉のロマンス納得です、また取材でお会いできる日を楽しみにしております。よろしくお願いします。
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