八分咲きか満開か
やっと寒さから抜け出ることができたのか。昨夜は鍼の治療の帰りに新宿花園神社へ寄ると、境内の桜が八分の咲きとなっていた。数人の花見客がいた。ガードマンが立っていてここでは宴会禁止になっていたが、それもよい。静かに花を愛でることができる。夜桜はまことに贅沢な気がする。今年も花に会えたという思い。神社の裏に抜けてゴールデン街のあの店に行った。きっと先輩がいるだろうと予想していたら、案の定いた。3月31日で完全に退職となるので、一応お疲れさんという声をかけておこうと思った。当人はいたって意気軒昂、これからもフリーで住宅ローンの返済期限である97歳まで働くという。この人も3年前に胃がんを患っているのだが、その後もこうして夜な夜な酒場に顔を出している。
9時過ぎ、新宿駅に向かう。平日のせいかいつもより人通りが少ない。渋谷とは随分違う。春休みでにぎわうセンター街を通っての通勤は疲れるのに比べて新宿は歩きやすい。バブルの時代は新宿が賑わい渋谷はそれなりだった。20年前のことが、つい昨日のことのように思われる。
2009年郡上八幡で開かれたNHK歌壇に投稿した母の短歌が秀作に選ばれたという通知が入った。最後の秀作だ。
表札を墨字大きく書きあげしその城守るはわれひとりなり
この歌そのものは以前目にしていたが、それほど心に留まらなかった。でもよく読んでみると母は突っ張っている。誰もふるさとへ帰って来ないということに苛立ちのようなものがあったのだと、今更に思う。ほころび始めた桜を見ながら、敦賀を思い、亡き人を悼む。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング