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二人の巨匠

二人の巨匠

やっぱり映画史に残る監督というのは能力(ちから)をもっているものだ。エリック・ロメールとヴィム・ベンダースを見てそう思う。ロメール作品はレンタルビデオ屋にはなかなか手に入らない。紀伊国屋の作品集からでないと普段は見ることができない。たまたま、それを所有する人から借りて見た。「美しき結婚」。ベンダースはツタヤで借りた「さすらい」で、これは以前見たことがあるから2度視の作品となる。2晩で視たのだが、両方とも感服した。映画としての地力がある。

「美しき」はロメールにしては分かりやすい筋だ。フランス、ルマンに住む気のつよいいかにもフランス娘という女の恋話。桃色を主調とした画像の色味がよい。カメラはおそらく担(かつ)ぎだろう。ややタイトでいつも微動している画格が私小説っぽい物語にぴたりである。それでいてフランスのカントリーライフの緑したたる風景が、この物語を脇からそっと支えている。主役の女は、ロメールの定番の役者らしいがいかにもうまい。女友達もいい。
この映画とウッディ・アレンのものと共通する何かを感じた。ロメールはヌーベルバーグの作家と呼ばれるだけあって、トリフォーの匂いもした。とにかく、シーンの切れ目がないのかあるのか判らないぐらい無造作のようにみえてうまくつながっている技術に目をみはった。音楽もほとんど使わない。
色味のことだが、画面を支配する色(この映画であれば桃色)をつよく意識するロメール。ユン・ソクホ監督がロメールが好きだという理由が分かった。だいたい、両者とも四季4部作を作っていることからいっても、影響は歴然としているのだが。

ベンダースの映画はジム・ジャーミッシュの匂いがする。白白した画面は乾いていて、アメリカ中西部を思わせる。東西ドイツの国境あたりを舞台にしているのだが、まるで大恐慌時代のアメリカのような風景。とにかく驚くのは主人公がカメラの前でウンコを垂れることだ。映画的感興以前に、凝視されているなかで、ウンチを垂れるという役者のくそ度胸にまず呆れるやら度肝を抜かれるやら。ベンダースの企みに絡めとられていることと分かっていても術中にはまっていく。

主人公は映写技師をなりわいとしながら、田舎の小さな町の映画館を自家用バスで回っていく。そこに自殺未遂の男が同乗してくるという筋だ。男二人という設定で、ゲイシネマかと見まがえそうになるがそうではない。屈託する二人の30代の男が居合わせるだけ。いわゆるロードムービーだが、何も進展しない。その都度、猛スピードであったり急流であったり廃屋であったりと映像的関心が中心の挿話が並ぶだけ。それがよい。説明的なカットはほとんどないけどストーリーが勝手にじんわりと動いている。

 私らのテレビの映像、特にドキュメンタリーの映像というのはきわめて説明的な画が多い。画だけでは足らなくてナレーションまでつけて説明する。その説明を重ねて、事態の面白さを語ろうとする傾向があるが、映画(劇映画はいうべきか、フィクションの世界)は物語を特権化して説明を飛ばす。否、プログラム・ピクチャーは違うか。プログラム・ピクチャーはありきたりの演出で万人に分かるような説明的物語作りを目指す。二人の監督はそんなものを目指さない。目指しているのかもしれないが、目指さないふりをしている。
ということは、ロメールもベンダースも興行よりもまず自分の作りたいものを作っている。
ロメールのエンドロールを見ると、テレビのドキュメンタリーぐらいのスタッフの数しかいないことが分かる。こんなスケールで、でも観客をぐいぐい引き込む作品を作るなんて、とんでもない人だ。

ベンダースの冒頭の臭い場面は羨ましかった。オペ以降、私の胃と腸はいうことをきかなくなっていて、慢性的な便秘に突入している。それまで、快眠快便のタイプだったから、苦しい。4日を越えると、汚物が溢れあがって来そうな気がする。
そこへ行くと、「さすらい」のノーテンキな主人公のいかにも気持ち良さそうな排便。

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by yamato-y | 2010-03-23 08:31 | Comments(0)
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