定年再出発 |
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ノンポリ
ベトナムで従軍カメラマンとなった平敷安常はノンポリと自称する。 平敷安常さんは自分は主役になることをできるだけ避けようとしている。ベトナム反戦運動が日本でも盛り上がったのに、自分はノンポリでアメリカのテレビ局の仕事をしていたという負い目にでもなるのだろうか。たしかに、70年代当時はそういう決めつけ方が横行した。解放戦線派かアメ帝支持派か。はたまたノンポリか。だが、あれだけの壮絶な体験をして大事な仕事をしてきた人がそういう通り一遍のラベルで片付けられるのはむろん納得いかない。第一、そういうレッテル張りをやった者たちは、疾うに戦線から離脱してバブルを謳歌していったではないか。 当方は平敷さんの歩んだ道を注目しつづける。平敷さんの体験の本質を知りたい、本音を問いたい。そう考えてここ数日、幾度かアメリカの平敷さんに連絡をいれた。ニュージャージーに在住しているから時差があって、連絡はもっぱらメールとファックスだ。平敷さんのパソコンは旧式らしく文字化けが多いので、メールだけとはいかずファックスと併用となっている。 平敷さんの話をするつもりではなかった。彼の著で、「ノンポリ」という言葉を目にして新鮮だったのだ。で、今朝、高田宏を読んでいたら、また出てきた。京大で高橋和己らと交わっていた頃のことを書いていて、破防法反対ストなどがあったときなど消極的に参加はしたものの、「まったくのノンポリで」という言葉を高田が使っていた。このあたりの含羞というかニュアンスは、50代以下の人にはなかなか分かるまい。 高田は1932年生まれだから今年78歳になる。私より16歳も年長であるが、同時代の人という意識がつよい。高橋和己や小松左京らと同年輩だと知って意外だった。もっと若いと勝手に思っていた。彼が育ったのは石川県大聖寺(現在、加賀市)。だから、大聖寺や近郊の山中温泉、九谷のことによく言及する。私の父の家系はそのあたりから発生していたから、読んでいると懐かしい気がしてくる。因みに、父は山中にある墓地に眠っている。 高田の「古九谷の里」というエッセーは私の出自の歴史を教えてくれる。山中温泉を流れる大聖寺川の上流に九谷という村があって、江戸期には有名な九谷焼きを産出していた。数年前にダムが建設されて廃村となっている。つまり、白山山系の山奥から川に沿って九谷、山中温泉、大聖寺と並ぶのだ。わが祖先はその九谷から出てきたと、父から聞かされたことがある。九谷、9つの谷を経ての村というから相当山深い地であったろう。そこに九谷焼というそれまでの焼き物とは少し違う斬新なものが生まれたというから愉快ではないか。高田は、この出来事を「雪古九谷」という小説にしているそうだ。一度読みたい。 そんな親しみを高田に私はもつが、それ以外にも交わる線がいくつかある。まず、高橋和己と親友であったことは私らの世代にとっては重大なことだ。「わが解体」「悲の器」「邪宗門」などを表して、我らを揺さぶったあの作家とともに生きていたということ。そのつながりの先に小松実こと小松左京もいたということは、SFや大伴昌司を研究してきた私にとってかなり興味深い。 この人の名前を最初に聞いたのは大江健三郎さんからだった。高田宏さんの木に関するエッセーに惹かれますと大江さんが語ったことが耳朶に残っている。たしかに、ナチュラリストと呼びたいほど自然や旅を愛する高田。彼の樹木に対する愛着はひとしおである。南方の島や山陰の離島などで、高田が木と出会う文章は読む者の心を鷲掴みにする。彼が郷土の先輩でもある深田久弥を尊敬することもよく分かる。深田の名は「日本百名山」で知られている。 大江さんから名前を聞いた直後だったか、高田は私が担当する番組「ETV8/文化情報」のキャスターになった。高田の、エッセイストとして名前が揚がっていただけでなく、前身の編集者としての明敏さもかわれてだったと、先輩ディレクターから聞いたことがある。 こうして高田と私の交わる線をいくつか感じていたが、今回、意外な面でも出会いがあった。彼は、京大文学部を昭和30年に卒業して、光文社に入り、「少女」の編集者となっていたのだ。漫画の歴史では黎明期の重要な時代だ。高田は漫画ではなく物語の担当らしかったが、此の時期に、少年少女誌に身を置いていたということは見逃せない。世の中はまだ貧しかった。高田が相手にした読者や取材した少女たちもさまざまな境遇にあった。電気も水道もないバラックに住んで弟妹たちを育てていた少女、脳腫瘍の手術が間に合わなかった少女、酒乱の父と暮らしていた少女、寝たきりのカリエスの女の子・・・。 若くて繊細な編集者は、この時代をどう生きていたのか、知りたい気がする。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
by yamato-y
| 2010-03-22 14:02
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