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南風吹いて

春の連休のなかで

 久しぶりに銭湯に入った。都内の鉱泉だ。だだっ広い浴場はひさしぶりだが、湯殿に入っていくとみんながじろじろ私の腹を見た。当然だ。臍の上3センチあたりにへの字形で20センチほどのおおきな傷口があるのだから。小学生のこどもなどは目を丸くして見ている。湯船で騒いでいた中学生5人組も、私が腹を誇示して向かっていくと、そそくさと出て行った。何か、モンモンを入れたヤーサンになった気分。つい肩を揺すって歩いてしまう。
思い立って銭湯に行ってみようと、荏原町を目指したのは夕方。胃の手術後一度も行っていないし、新たな病の徴候も出て来たから、行けるうちに大きな風呂に入りたいと考えたのだ。
銭湯に行く前に、アーケードの額縁屋へ行って一枚の写真の額装をしてもらった。先日、大江家でロケをしたとき、大江さんが昔の思い出だよとくれた二人の写っている写真だ。万年筆で大江さんの署名もある。おそらく広島時代の写真だから、15年前のものだ。原爆資料館で資料に見入っている大江さんと、背後で撮影の段取りでやきもきしている私が写っている。ロケに入るといつもテンパる私のことを大江さんはよく知っている。「早く移動しないと、次に間に合わないと思ってイライラしている姿ですね」にやにやしながら写真をプレゼントしてくれた大江さん。その貴重な写真を額装にしたのだ。その包みをかかえたまま、銭湯に向かった。

 「元気であれば、何でもできる」というのはアントニオ猪木の造語だと思っていたら、高橋是清が語ったものだと知って驚いた。猪木は誰から教わったのだろうか。この言葉はしみじみ実感する。胃が悪かったり、下腹部が痛んだり、歯がぼろぼろになったり、次々に災厄が出て来ると、退屈だなあとぼやいていた昔の自分が懐かしいというか、傲慢なものだったと後悔したりする。

 夜来風雨だった。途中で目が覚めて外を見ると、バルコン前のポプラの木がごうごうとしなっていた。陽がのぼると、風も雨もやんでいい日和になった。
 寝床で、長倉萬治の『アルマジロの日々』を読む。私と同い年で、先年脳出血で逝った作家だ。からっとした、都会的センスの長倉の文章は前から好きで、コラムなどはよく読んできたが、長いまとまりのあるものはあまりない。この作品は私小説のおもむきがあって、彼の暮らしが垣間見えて面白い。午前中、夢中で読んだ。心臓に持病をもつ妻のことをいわたりながら、随分女性の出入りが激しい。すべて事実とは言わないが、すべて嘘とも思えない。こんなことを書いて大丈夫なのだろうか。といっても死んでしまったのだから、もはや妻から怒られることもないか。圭角ある人だが、おそらくみんなから愛されたにちがいない。でも70、80まで生きたら、きっと面倒くさがられるぞ。早く死んでよかったじゃない。と、羨ましいような淋しいような気持ちで読破する。

 長倉がフリーライターとして、横暴な編集者との関係に悩むのだ。なかで、ぶっ飛ばしたくなる嫌みな奴が出て来る。この像が、私も先年裏切られた男とそっくりなのだ。つい、長倉の言い分に感情移入してしまう。たいした作品も作れないくせに口先だけで誇示する男。外部に向かってはへこへこしながら、内部には威張り散らし嘘ばかりつきまくった男。こんな奴はやはりどこにでもいるのだと、独りごちたり。と、だんだん下降していく意識が情けない。もっと高く志しをもって、この文章を軌道修正しなくては―−。

 萬治がこどもたちの頭をシャンプーしてやる場面がある。嫌がるこどもらの頭を洗うのに、シャンプーハットを用いるのだが、彼はこのハットを「画期的発明だ」と賞賛する。本当にそうだったかと家人に聞くと、「駄目、勢いよく上からすすぎ水かけると、ハットの隙間から石鹼がだらだらこぼれてきて目にしみた」という。ふうむ。長倉はイノセントなふりをして本当らしく書いているが、意外とワルかもしれない。とすればますますいい。
《茶の間から「笑点」のテーマソングが流れて来た。これを聞くと、僕は日曜日も終わりだなと心がほんの少し沈んでいくのを感じる。》
いい文章だな。

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by yamato-y | 2010-03-21 14:46 | Comments(1)
Commented at 2010-03-23 17:23
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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