春のひざし
温度が上がったといってもうすら寒さがあった昨日と違って今朝のほうが暖かい。小鳥がさえずっている。
昨日、一昨日と2日にわたって、3本の企画をプレゼンすることが続いて、さすがに昨夕は気疲れした。夕方には体がぞくぞくしてやや風邪ぎみとなってしまった。早めに家に帰り、風邪薬を飲んで寝た。11時頃に目を覚まし、のそのそ起き出してDVDを見た。
ニコラス・ケイジの最新作。凡作。見る時間も無駄、こんな映画に巨費を投じるのも無駄、とえらそうに評価。
ベルリン映画祭で寺島しのぶが主演女優賞を受賞した。代理に監督の若松孝二がトロフィを受け取る映像が各局で流れている。
強面の若松さんが相好を崩すのは微笑ましい。監督賞も作品賞も獲ったわけではないが、なんとなくよかったよなあと思う。昨年制作した「全身漫画家〜真説・赤塚不二夫論」で、若松さんをクマさんとともにゴールデン街でインタビューしたことがある。こわい顔に似合わない優しいまなざしをもつ人だと感じた。
今回の授賞対象になった「キャタピラー」の前作「『実録・連合赤軍』の製作時に、役者たち関係者に向かって若松が語った言葉が忘れられない。
『マネージャーやお付きは連れてくるな。衣装もなし。メイクアップは自分で。もし何かスケジュールが入るかも知れないなら、今すぐ降りろ』と言い渡していた。」
あさま山荘のゲリラ戦の映画だからきれい事にはならないにしても、ずいぶん思い切った指示だ。私自身、ドラマの現場を体験したとき、役者という人たちの側にいるマネージャーという存在がひっかかったことがあった。なぜ、こういう存在が現場にいなくてはならないのかと腹を立てることがあったから、この若松指示には溜飲を下げるものがあった。しかし、芸能界では評判悪いだろうなあと想像もする。
桃色映画出身で、70年代の闘争を映画で闘った人物。そんな人が今回主題にしたのが”傷痍軍人の妻”だったとか。タイトルの「キャタピラー」にはどんな意味があるのだろう。妻を演じた寺島しのぶも見たいが、夫の四肢切断された元軍人の演技も見てみたい。
ところで連合赤軍を描いた映画はこれまで3本あって、そのなかの一本『突入せよ!「あさま山荘」事件』(2002)が先日テレビ放送されていた、見てがっかりした。最初の30分を見て嫌になった。こんな映画に役所広司はふさわしくない。今村昌平の香りのするこの若松監督といっしょに組んで映画を作ってもらいたい。
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