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定年再出発  


懐かしい空
by yamato-y
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引退考

引退考

 スピードスケートの岡崎朋美選手の去就が注目されている。過去5回の五輪に出場し38歳になった。いくら才能があっても年齢という魔物には勝てない。そろそろ引退かという声もあがるが、今回の成績が不本意だっただけにもう少しやりたいという本人の思いもあろう。しかし、彼女が現役に止まることは、後輩にとっては席が一つふさがったままということになり、後身に道を譲り引退すべきだという声もある。他人(ひと)から引導を渡される前に自分で決めることが肝要と、引退を示唆する記事もちらほら見かける。

 昔、「私はあきらめない」という番組で岡崎選手を取材したことがある。今から8年前、彼女が30歳の頃だったろうか。当時、人一倍熱心な体力トレーニングを重ねていて、けっして20代前半の選手たちとひけをとらない体を作り上げていた。その努力、克己心に頭がさがった。すべてをスケートに捧げて生きる岡崎選手にある気高さを感じた。そうして、その努力は前回のオリンピックで4位という輝かしい成績をおさめた。だが、彼女にとってまだ不満だったのかもしれない。
彼女としてはあと少しでメダルという思いがあったのだろう。その後の4年間に必死で選手生命をかけてきたのだろう。そして、今回の成績は、彼女の年齢からすれば立派であるが、前回よりも低いランクとなって終えた。

 そうしてバンクーバーも終わり、次のオリンピックへの関心が高まるなか、岡崎選手の動向が取りざたされるようになった。現役を続けるか引退するか、この決定は彼女ほどの選手になればきっと自分で決めるにちがいない。きっと揺れているにちがいない。

 華やかな経歴をもつ選手ほど、その引け際は難しい。イチローはともかく松井にはほどなくやってくるだろう。膝に爆弾をかかえている松井の大リーグでの活動は残り少ないと思われる。そこを辞めても日本ではまだ現役を続けるかもしれない。それとも、すっぱり大リーグで現役人生を断ち切るのだろうか。興味深い。
 監督業にしてもそうだ。星野や野村は、なんども引退を口にしながら恋々としている。まわりから見ると、あれだけの栄光を浴びたのだからもういいではないかと言いたくなるが、当人はそう思わない。まだまだやれる、やりたい、という執炎はなかなか収まりそうもないのだろう。

 他人事ともいえない。今年の1月で62歳になった私。第一次の定年から再出発したものの、やがて第2の定年が来る。65歳になれば国からの年金が支給されるから、そのあたりで職を退いてほしいと周囲は思っている。ここで会社から引導を渡されるのか、自分から自発的に身を退くのか、生き方の美学に関わってくる。

 しかし、美意識のために好きな番組作りをやめることができるだろうか。時代の流れを読みながら、新しいスタイルの番組をいつまでも作っていたいという情熱だけは決して減衰しない。だからいつまでも作り続けたい。だが、そう思っているのも当人だけで、周りから見ればはた迷惑なことかもしれぬ。

 それにしてもサラリーマンに比べれば、野球選手たちの選手生命はなんと短いことだろう。現役時代は年俸2億だ3億だといっても、35歳を過ぎれば引退の声があがってくる。コーチや評論家になれた人はいい。なんにもないと、元野球選手ということでどうやって社会に居場所をみつけるのだろう。先日、訃報が伝えられた小林繁選手だって、あれほど世間の耳目を集めたにもかかわらず、晩年は淋しいものだったという。なにより50代で死ぬというのは、人生としてはあまりに早い。

 一方。作家という職業は長い。23歳で文壇デビューした大江さんは、サラリーマンの入社年齢と同じスタートをきった。そして、59歳で文学の最高栄誉ノーベル文学賞を受賞。その直前には、小説はもう書かないだろうと口にしていたが、60代に入ってますます執筆は旺盛になり、後期5部作を74歳でなしとげる。近作『水死』は長編の最後の小説になるかもしれないとは本人の弁だが、私はそうならないと見ている。まだまだ、大江さんのなかには創作への意欲が衰えていない。しかも、文学のスタイルや主題が古くなるどころか、若い作家よりはるかにラジカルな表現をいつも試みている。つまり、精神はまったく老化していない。
たしかに、大岡昇平、中野重治、加藤周一、など大江さんが敬愛する作家たちはかなりの年齢まで筆を執った。作家という人種には引退とか定年とかいう言葉はないのだと羨ましくも思う。

 漫画家はどうだろう。手塚治虫は50代で死んだ。多忙のあまりではなかったろうか。石ノ森章太郎、藤子F不二雄、寺田ヒロオもみな早かった。短命と思われた赤塚不二夫でも70まで生きたが、それ以外の漫画家は引退まで長らえたケースがほとんどない。なかで例外は藤子不二雄Aとちばてつや。二人はまだ作品を発表している。ちばさんは数年まえから目を悪くして、ペン入れの鋭さが描けなくなったと本数は減らしものの、引退はしていない。劇画の巨匠さいとうたかをはプロダクションシステムをとっているせいもあって、まったく製作力は落ちていない。この人は当分引退などしないだろう。

 引退という通過儀礼は侮れない。いい加減に時間切れですよと引退なり定年なりすると、亡霊が甦ってくる。不完全燃焼のまま引退することは危険なのだ。朝青龍のようにスキャンダルで引退すると、相撲においては燃え尽きていないから、形を変えて「土俵」や「リング」に上がりたくなるのではないか。大相撲はかつて引退の美しい見本だった。王者は新しい力によって倒され引退した。大鵬しかり北の湖しかり千代の富士しかり。新しい若い力が実力でその座を奪い取った。取られた王者は未練なく土俵を降りることができた。その伝統は貴乃花あたりで消えたように思える。

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by yamato-y | 2010-02-20 09:24 | Comments(0)
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