冬芽のときに
寒い日が続いている。東京は2月がいちばん寒いのだとあらためて思う。
裸木となると、鳥の影がよく見える。今朝も家の前のポプラの大木の梢にちらちらするのが目に留まり、双眼鏡を向けた。めじろだった。黄緑色の羽をたたんだめじろがせわしく枝を行き来していた。鳥をみつけてスコープをのぞいていると得をした気になる。
出勤の途中、児童公園の園木に冬芽をみつけた。白い綿毛がぼーっと揺れていた。もうすぐ春。こんなに寒いけど、春の準備が始っている。
現在の私も冬芽状態だ。4月からの新しい年度での企画を実現するべく、取材、リサーチ、折衝と、直接番組とは関係ない仕事に追われている。これといって予定をもたないまま、デスクに座ると、あちこちから電話が入り、その対応に応じているとすぐ夕方になる。資料を読む込むこともできないまま、家に戻り、夕食後から就寝までの4時間ほどがその時間にあてる。ざっとこんな暮らしが1週間続いている。
昨日、久しぶりにぺ・ヨンジュン、チェ・ジウ両氏の話が私の元に来た。新潟震災のときに、すぐ義捐金を拠出してくれた二人を紹介したいのだが、その写真使用の許可どりをどうすればいいかという問い合わせである。それぞれの事務所の連絡先を教えた。ちょっと気になるのは、ぺ氏の消息が全然伝わってこないことだ。病気でもしているのだろうか。
そういえば、4年前の今頃、私はスタッフを連れて、春川に行った。寒い冬の日だった。ナミソムの早朝のロケは、人っ子一人いない荘重な風景を独占できて満足だったことを覚えている。だが、冬ソナはまだ大きなブームにはなっていなかった。私たちが春川の目抜き通りでロケをしていると、日本の放送局が取材をしていると、地元のテレビが逆取材して話題になるぐらいだった。その後の大ブームを考えると、信じられないくらい小さな出発から「冬のソナタ」は始ったのだ。
私の幼い頃には、韓国は戦争で山が焼けて禿山ばかりだと聞かされていたが、実際の朝鮮半島は緑の深い谷があちこちにあることを知って感動したものだ。
前にも書いたが、春川はこのロケの2年前に行ったことがある。そこの大学に池明観先生が日本研究の主任としていたからだ。そのときに見た春川は軍事基地の町だったから、自然の美しさなど目に入らなかった。あの町を舞台に、ユンさんはよく考えたものだと、今となって感心する。「冬のソナタ」は冬に考えるのがいちばんいいようだ。
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