ヘリポートの上の雲
目黒駅から権ノ助坂を下って目黒川まで出る。目黒新橋に立って、川風を受ける。日差しがあるせいか冷たくない。
川下に向かうと、左岸に雅叙園が傲然と建っている。屋上にヘリポートが光っている。その真上に綿雲がひとひら浮かんでいる。
当分来れないから、目黒図書館に借りた本を返しに行った。そのときに出会った風景だ。
風の感覚を覚えておきたい。遊歩道に映る長い影の感覚もたしかめておきたい。川沿いの桜並木は枝がりょうりょうと川に張り出している。あと3ヶ月もすれば、満開の花通りになる予定の場所。
ヘリポートの思い出がある。長崎湾の上空からの撮影のためにヘリコプターに乗務した。福岡から飛んできたヘリは、茂里町の長崎新聞ビルのヘリポートに舞い降りる。そこで私とカメラマンが乗り込んで、上空撮影となる。この乗り込んだヘリがポートを飛び立つときだ。まるでビルから落下するかのようにふわりとビル外へ飛び出る。この瞬間、胃がきゅっと縮み上がった。墜落の恐怖だ。むろん、そんなわけがないのだが、初めて乗るヘリに対しておっかなびっくりだったのだ。それは今から24年も前のこと。冬の青空にうかぶ綿雲を見ながら想起した。
昨日は、自然教育園でがまの穂が飛ぶのを見た。細かい花粉が風に乗って、沼の水面すれすれ飛んで行くのを見た。森のなかでは、冬鳥の美しい飛翔を目撃して感動した。
冬の陽は早いが、それでも日が長くなった気がする。明日からに備えて、風邪をひかないようにして、早々に散歩も切り上げる。
書店で、新書を2冊購入。『不幸な国の幸福論』(加賀乙彦)、『テレビ局の裏側』(中川勇樹)の2冊。後者の帯に目を奪われた。
《崩壊する巨大メディアの内幕》。新聞、雑誌だけでなく、いよいよテレビも崩壊現象が語られるようになったかという”安堵感”。
さきほど、きっこのブログでアフガンで新年早々に起きた、アメリカ軍による住民殺戮の出来事を知る。世界はこの国で感じている以上に早いスピードで激動が始まっているらしい。沖縄の基地移転問題はきわめて今日的課題をはらんでいるということを、自分自身に刻みこんでおかなくてはと、言い聞かせている。
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