いつまで店にいるの
千原ジュニアが面白いことを言っていた。
テレビの人気者のランキングで今も上位に、紳助、さんま、たもりらベテランが占めていることに対し、人気のあるラーメン屋に居座っている客のようだと、「いつまで店にいるの。食べたら、さっさと店を出ればいいのに。なかなか店を出ない。」憎まれ口をきいていた。外で,
席が空くのを待っている客にとってははた迷惑だという。
昨年、就職したばかりの娘が、仕事がなかなか捗らず、つまらないルールがはびこっているとこぼすと、6歳上の兄は、「これも親父のような古い世代が居座っているからだよ。この構造を変えないと、現在の若者の窮境はなくならないだろう」と解説。この言い分は、千原ジュニアとそっくりで、思わず吹き出した。
タモリやさんまのように、一世風靡した人物はともかく、たいして“おいしいめ”に会ったわけでもない団塊の世代が、若い世代から恨まれるのはややわりが合わないのじゃないか。
高度成長の波に乗って、人生を生きてきた団塊の世代というのが、それほど幸運な「勝ち組」だったといえるのだろうか。若い者に恨まれるほどいいめに会ったとは思えないが。
むしろ、仕事、仕事に追われて、好きなことも見出せず、仕事が生きがいというアイロニーを内面化させられた犠牲者ではないのか、と言ってもみたい。
他はともかく、タモリのような人は、現在のビッグな境遇をどう思っているのだろう。功成り名を遂げたから、今のポジションをよしとしているのか。赤塚不二夫とアナーキーな夜遊びを重ねた人が、そんな微温的な幸福に浸っていられるのだろうか。
ときどき見る「笑っていいとも」で、タモリが若い者を叱るようなふりをして媚を売っているのを見ると、なんともいえない複雑な感情が湧く。
山下洋輔とも出会わず、博多のスナックかどこかで、仲間内の宴会芸を続けていたら、タモリはどんな人生を送っただろうか。どういう人間観をもつことになったのだろうか。感情の起伏の少ない彼のことだから、今の心境とさして変わらないところにあったかもしれないし、もしくは、耐え切れないほどのルサンチマンを抱え込んでいたかもしれない。
でも、タラ、レバの話はやめて、今、バラエティの巨匠に陣取るタモリよ。いつまで店にいるの。店の外には、席を待つ客がずらりと並んでいるのだって。
でも、さも訳知り顔で、未熟な若者に席を譲ったりこびたりするのは止めてほしい。
そんなことは客の見識じゃなく、店の責任だと居直ったらいいさ。
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