クリスマスイブ
午前3時15分、今朝も目が覚めた。昨日もそうだった。一昨日の母危篤の報を受けたときも3時15分。偶然とはいえ、同じ時間に一度目が覚めるとはどういうことだろう。
大江さんの最新作『水死』の参照にと、エリオットの詩を読む。そのなかのフレーズ。
《浮き沈みして遂に渦へ巻き込まれるまで
老いの日若き日のことなど次から次へと
彼は憶い起した。》
これと照応するようなかたちで、大江さんも『水死』のなかで、詩を提出している。
《雨の降らない季節の東京で、
老年から 幼年時まで
逆さまに 思い出している。》
立花隆の「臨死体験」にあったと思うが、人は死ぬ瞬間、自分の人生を最後から最初にフィルムを巻き戻すかのように、一瞬にして見るということを記述していたことを思う。
母はどのへんでそうしていたのだろうか。
私ら残された家族にとって、母とのもっとも美しい情景がある。そのことを母は短歌にして刻んでくれた。
幼き吾子三人を連れて雪道をクリスマス礼拝へと行きし遠き日
50年以上前の雪のクリスマスイブのことだった。
雨の降らない東京の、今朝の空には一本の飛行雲が東の空に浮かんでいる。
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