古本の値段
放っておいたら、家のなかに古本古雑誌がどんどん溜まりはじめた。
古本屋に持っていったところで売れないだろうと思うが、さりとて捨てるのはしのびない。
いつも迷う。
思い切って、権之助坂の弘南書房へ、新書3冊と文芸誌2誌美術雑誌2冊をもっていった。
とりあえず新書を見せた。買ったばかりの1000円を含むそれなりのものだ。店の主人はにべなく「100円」と言った。驚いたが、引き込めるわけにはいかない。それでお願いしますと頭を下げた。3冊100円。1冊33円。
ただでいいから、文芸誌を引き取ってもらおうと、トートバッグから出して広げた。
「うちは要りません」とヒトコト。
嵩ばかり大きい「芸術新潮」「太陽」と分厚な「群像」と「文学界」。これを入れたカバンをもって山手線に乗った。
車中、本を集めて歩くオジサンがいた。ホームレスの人たちの内職仕事になっているあれだ。
その人に駆け寄って「オジサン、こんな本はどうかな。要らない?」と見せると、
ひげもじゃのオジサンは手を横に振って、却下。
雑誌なんて、本当に役立たずだ。粗大ゴミより始末が悪い。
でもなあ、ゴミ箱にぽいは出来ないものなあ。
10時、出社。会社の机の上に不要とも言いかねるような、さりとて使うあてもないような本が、ざっと20冊ある。
「パイドロス」「トキワ荘実録」「鈴木しづ子」「羊をめぐる冒険上」「妻の道」「グーグルが消える日」「妖怪画の系譜」「現代日本の転機」「火柱の人」「影の歴史」・・・。捨てられない。けど使うあてもない。
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