ETV特集「“斜陽”への旅〜太宰治と太田静子の真実〜」夜10時から、教育テレビ
今年はの太宰治生誕100年にあたる。作品が相次いで映画化されるなど太宰ブームが起こっている。6月の桜桃忌でもブームがあったが、秋になっても続いている。そうなるだろうと予測したが、その通りとなった。満を持して今夜のETV特集を世に出すという意気込みでありたい。およそ半年かけて制作してきた作品「“斜陽”への旅〜太宰治と太田静子の真実〜」。
太宰の代表作「斜陽」。この物語は、一人の女性の日記を下敷きに書かれた。女性の名は太田静子。妻子ある太宰の子どもを身ごもった静子。生まれたのが作家・太田治子である。治子は、母が残した未公開の資料をもとに、父と母の間にどのようなやり取りがあったのか、「斜陽への旅」を重ねていく。そして、今回提出された新資料をもとに知られざる「斜陽」誕生の物語を、娘であり作家である目で見つめて行くのである。
毎日新聞の栗原さんがいい記事を書いてくれた。
《妻子があった太宰は、文学上の弟子だった太田静子と恋に落ちる。太宰の代表作の一つ「斜陽」は、静子の日記を基に誕生した。2人の子供で作家の太田治子は、自分が「愛人の娘」であるという思いから、両親のことを詳しく語ろうとしなかった。だが「太宰と何があったのか真実を書いてほしい」と告げて母が逝ってから26年が過ぎ、両親の関係を明らかにすることを決意した。2人がやり取りした手紙や、母親が太宰への気持ちをつづったメモなど、これまで公開しなかった遺品が紹介される。創作のためには背徳を辞さない、太宰の作家としての業。「空の上でも(他界しても)太宰には会わない。奥様に申し訳ない」と苦しみながら、太宰との愛の結晶である「斜陽」と娘を支えに生きてゆく静子の強さ。重層的な人間像が明らかになってゆく。》
この名作のウラに潜む人間ドラマをディレクターはよく引き出し、頑張った。思いが作品から滲んでいる。ディレクターの思いとは、太宰と太田静子の生き方を直視した太田治子さんに対する友情である。
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