京の夕焼け
連続講義で京都に来ている。今朝は百万遍の知恩寺で開かれている手作り市で、句友の葱男さんと会った。このお寺は大学のまん前にあって、月に一度フリーマーケットのようにして手作り製品が売られる大きな市が立つのだ。私は映像メディア論を今回論じている。主にテレビドキュメンタリーの特性について語っている。このフリーマーケットもある意味でメディアではないかと私は考えていて、それを学生諸君に実地検分してもらおうと、2コマ目の後半から現場へ出向いた。
雨もよいもあって、人の出は少なめだったが、お昼が近ずくに連れて会場は賑わいだした。中高年の女性が多いのだが、若い人もけっして少なくない。京都の街中にこういう市が立つというのは、うらやましい気がする。単に物の売り買いだけでなく、人情も交換しているような気がしてくる。葱男さんは今回手作りTシャツの店は出さず、奥さんのフェルト製品だけを陳列していた。雨で品物が濡れるのを避けたそうだ。葱男さん夫婦の楽しそうな生き方にちょっぴり感動。しばらく話して、17日のちばてつやさんの授業に来るように呼びかけて、葱男さんの店を離れた。
集中講義は朝10時から17時過ぎまでぶっ通しだから、夕方になるとけっこう草臥れる。
授業を終えて、外に出ると、西の空が紅く焼けていた。空が高いから夕焼けも美しい。朝方の雨はすっかりあがっていたのだ。
大学正門前からバスに乗って東山三条まで行く。そこから河原町に向かって歩く。日がとっぷり暮れた。家々に灯りがともる。京都の町屋の灯は懐かしさをさそう。
こうやって、大学に来るようになって六年になる。いつのまにか、京都の町にもすっかり馴染んだ。久しぶりに、心が穏やかな夕暮れとなる。
葱男さんが最近作った句を思いだした。
いわし雲誰を遠くへつれてゆこ 葱男
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