朝から蝉の声が
やっと雨がやんで、蝉が鳴きはじめた。だが気温は低い。まだ平年並の暑さにもどっていない。
昨夜は、コーエン兄弟の映画「バートン・フィンク」を見て、村上春樹の「1Q84」を読んだ。両方とも面白い。偶然、二つを乗り継いで鑑賞することになったが、どことなく両者はテーストが似ている。しかし驚いたのは、「1Q84」の冒頭から”必殺仕掛人”が登場することだ。たしかに、この小説はエンターテインメントをたっぷり装備しているようだ。市井の評価が高まる一方、「文学」の専門家からはきびしい意見が飛び出してきそうだ。どんどんやればいい。もはや純文学、大衆文学といった審級などは問題にならない時代が来ているのだ。大胆なことをいえば、村上春樹の新作はライトノベルといえるかもしれない。それがなぜ悪いのか、「文学」はどこへ行こうとしているのか、ということを問うような番組を、今企画している。
あちこちで「ジャンルの破壊」ということが起きている。国会や選挙のことはここでは語るつもりはないが、その方面でも旧来の手法や枠組みはどんどん壊れている。格闘技においても然り。ボクシング、プロレス、リアルファイトなどでも新しい波が起きているようだ。
昨日、面白い人物に会った。パンクラスの社長だったOさんだ。15年間、格闘技団体「パンクラス」を率いてきたが、そこを離れて本業にもどった。本業は映像制作で、彼は古館プロジェクトにいた頃から映像を作ってきていたのだ。以前、後楽園で行われた試合を見学したときから知り合っていたが、その後付き合いはなかった。それが2、3日前に電話があって、会いたいということで、昨日の会談となった。
Oさんは番組企画を数本持ち込んで来た。本格的に番組制作をやろうと思うので、企画を見てほしいというのだ。やや面食らった。パンクラスのOさんといえば、その世界ではビッグネームだ。それを振り捨てて映像の世界に戻るというのは、50を過ぎた男のやることではない、と一般人の私は思う。
それは、私のような社畜の発想であって、Oさんはたえず新しい挑戦を試みるタイプだったのだ。とにかく企画書が2本、企画素材が4本、口頭での売り込みが3本と実に意欲的だ。大きな声で、次々と企画を売り込む。その熱意に圧倒された。
スポーツのネタが圧倒的に多いのだが、そこで選手と鬱という話が出た。格闘技の選手でも、近年鬱病にかかる人が多いという。興味深い。実際、Oさんのまわりでも起きていて、その病から立ち直った選手が8月8日に試合をするそうだ。「見に来ませんか。いい試合をすると思いますよ」と楽しそうに笑いかけるOさん。
ひょっとすると、Oさんは映像の世界でも何か新しい風を巻き起こすのではないか、とそのとき直感した。
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