NINJA/ 忍者
アメリカでは、ここ数年、映画や小説を中心に忍者がちょっとしたブームになっている。フランスのニース大学には“忍者部”というサークルまである。忍者の名は日本国内にとどまらず、世界的にもよく知られている。でも、その関心は東洋の神秘のようなオリエンタル趣味で、その実態がインテリジェンスのエキスパートであるという見方はほとんどない。いや、外国人だけではなく、今の日本人もそういう認識に近いかもしれない。
私の小学生の頃は忍術使いといったと思うが、昔から、忍者が好きだった。「忍者のふるさと」と言えば、伊賀、甲賀だ。今の三重県と滋賀県にまたがる区域である。先日、太宰の取材で、滋賀県の愛知川へ行ったとき、遠くに鈴鹿山脈が連なるのを見た。古来より忍びの技術を磨き作り上げた地域である。あの山のなかに、伊賀、甲賀があるかと思うとわくわくした。
そもそも忍者(にんじゃ)とは、鎌倉時代から江戸時代にかけての武士の時代に現れた存在で、大名や領主に仕え諜報活動や暗殺を仕事としていたとされる。現在、放映中の大河ドラマ「天地人」でも、その存在が描かれている。呼び方はいろいろある。忍、透波(すっぱ)、斥候(うかみ)など。すっぱ抜くなどという言葉が今も残っている。忍者を雇う武将によっても違う呼び名を使ったようだ。武田信玄なら乱波(らっぱ)、秀吉なら木陰衆(こかげしゅう)、信長なら饗談(きょうだん)、上杉謙信なら軒猿(のきざる)。上杉勢力にあった山形を舞台とする藤沢周平の小説では軒猿という呼称を使っていた。そのなかで甲賀や伊賀を本拠としていた忍者集団は有名である。いくつもの忍者屋敷があり、日々の訓練が行われていたと伝えられている。
このように忍者は実在したとはいえ、かなりのフィクションが混じっている。その虚実のあわいが、私にとっての忍者の魅力。あわいの例として忍術がある。どこまで本当か分からないが、さもありなんと思わせるものがある。
忍術とは、忍者が追っ手からの逃走に用いる術である。その一つに五車の術というのがあって、相手と話をしていてとりこむものがある。相手をおだてて隙を伺う喜車の術 。相手を怒らせ冷静さを失わせる怒車の術 。相手の同情を誘う哀車の術。相手を羨ましがらせて戦意を喪失させる楽車の術。相手の恐怖心につけこみ戦意を喪失させる恐車の術。
私の場合、忍術をかけるよりかけられるほうであろう。一番かかりやすいのは怒車の術 。
忍者番組を作ってみたい。本格的に、伊賀甲賀をリサーチしてみようかな。
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