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定年再出発  


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国府津の海で

国府津の海で

大磯から小田原方向へ東海道線で2つ行ったところに国府津がある。国府津館は駅を出てすぐの国道に面している。裏は相模灘。外観は平屋だが、母屋が坂に建っているから国府津館は3階立て構造と言えるのではないだろうか。奥座敷で太田治子さんのロングインタビューが行われた。
かつてこの旅館で太宰治と太田静子が逢瀬を楽しんだ。ここで、『斜陽』の原案ともいうべき太田静子の「斜陽日記」の受け渡しをめぐって二人の間に話し合いが行われた。そのゆかりの場所で、二人の遺児である太田治子さんにインタビューした。

当時、静子はこの国府津から御殿場線で一つ行った下曽我に母と住んでいた。伊豆の知人を訪ねたりかつて住んでいた三島へ行ったりする太宰には途中駅が国府津であった。二人にとって知人がいない国府津は格好の場であったのだろう。

二人が出会ったのは、戦争が始まる昭和16年の夏。文学少女だった静子が二人の文学仲間とともに、三鷹の太宰の家を訪ねたことから始まる。彼女はかつて自分の娘を失ったときのことをまとめた「赤いバラ」という小文を見てもらうためであった。感覚的な文章で浮世離れした作風が特徴だった。一読して、太宰は、なかなか面白そうだと思うがあなたは体が弱そうだから小説を書くには向いていない、このまま日記を書き続けることですといって励ました。それを真に受けて、静子はせっせと日記を書いた。当時、静子は出戻って母と二人で大岡山に住んでいた。

戦争が始まり、静子は親戚の紹介を得て、小田原下曾我の山荘に移り住むことになる。その山荘を太宰が最初に訪ねたのは昭和19年の1月のことである。一泊したものの何事もなく二人の関係は戦争が終わるまで途絶えることになる。
昭和20年4月、三鷹にひとりいた太宰は空襲に遭遇。家族が疎開している甲府へ引き込むことにした。そこでも空襲に遭い、ついに故郷の津軽に家族を惹き連れて行く。そして敗戦の混乱のなか、東京へ舞い戻るのが昭和21年晩秋。太宰は再び三鷹に住む。
一方、静子は昭和20年12月に母のキサを失った。下曽我でたった一人になったのだ。

そして、太宰が下曾我の静子の家に、「日記」を受け取るために現れたのが、22年2月だった。それから5日間、太宰は静子の山荘に泊まりつづけている。そして、静子の日記を受け取った太宰はその足で伊豆に向かい、そこで執筆するのだ。『斜陽』の第1、第2章で、太宰は凄いスピードで80枚を書き上げた。静子の日記を土台にしての物語化だから早かったのだ。
その後、太宰は山荘を3月7日、3月17日と続けて訪ねている。この交わりのなかに、国府津館があった。

現在の国府津館も昔ながらの風情を残していてなかなかいい。風呂場ものぞいたが、広々とした湯槽にたっぷりの湯量があった。全室和室で、ドアの部屋はない。部屋からの風景も素晴らしい。ただ、裏に西湘バイパスが通っていて、ひっきりなしの車の音だけが興ざめとなる。

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by yamato-y | 2009-06-18 14:35 | 斜陽を考える | Comments(0)
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