ハゲタカは面白い
話題の映画「ハゲタカ」を見た。テレビで流れたものの映画版だと思っていたら違って、新しいハゲタカだった。中国のファンドが今回の主役である。
面白かった。映画の魅力のひとつ娯楽大作だった。映像表現の難しいことなどには委細かまわず、面白いことに徹しているのがいい。
監督はテレビの人だから、いわゆる映画よりテンポが早い。シーンが短く、物語が次々に展開していく。音楽の使い方もテンポを強調したものだ。全体に見やすい。
主演の大森南朋や柴田恭兵、栗山千明らはテレビドラマのままの配役。悪くはない、特に柴田はいい。が、大森はいまひとつかな。今回は“赤いハゲタカ”の玉山鉄二が得な役回りだった。遠藤憲一は迫力がある。私はこの遠藤が演じるアカマ自動車社長に感情移入した。
- -と評価したうえで、いささかの欠点はというと。
脚本に不満がある。まず派遣社員の話はいまひとつしっくりこない。末端の派遣に思い入れをもつ赤いハゲタカ劉はいささかセンチメンタルに流れた。物語の仕掛け自体は面白いのだが、それを動かしていく細かい動きでちょっとシラケルところがあった。特に劉が後半で暴漢に襲われナイフで刺されるのは、いささか常套か。
なにより気になったのは、物語の大団円が終わってから終幕までが長いということ。そこを詰めれば、もっと切れ味がよくすかっとしたかもしれない。否、製作者は観客のカタルシスなどを期待したわけではないのだろう。まあ、同業のテレビ制作者がよく奮戦したと評価したい映画であった。
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