初恋の味
関西の大学は休校騒ぎが続いているが、京大は平常どおりに運行されている。
噂では、京大医学部の感染症専修の教員たちの判断ではその措置はいらないということらしい。休校は後に補修がともなうから、必ずしも学生たちにとってもうれしいこととはいえない。夏休みが減らされるのだから。
小雨の降るなか、朝10時にホテルを出て、錦林車庫行きのバスに乗って百万遍に向かう。農学部前で降りて、本部キャンパスの中央食堂まで行く。超安い昼飯を食べようと、パンのコーナーへ行く。ドーナッツとコーヒーを買ってレジの前へ。レジスターの前に小さな看板が出ている。新製品のパフェーの宣伝だ。
「昨日見た夢にあの人が出てきた。
そんなアナタにあの頃の思いを・・・・・
あらんじぇパフェ 初恋の味 350円」
どうだろう。こんな甘い文句は久しぶりに目にした。いまどき、私の職場周辺で、昨日見た夢にあの人が出てきた、なんて台詞は出て来ない。やはり、大学というのは青春の場であるということを、あらためて思う。
今日の京都は雨もよい。重い雨雲がたちこめているが、新緑が雨にうたれて一際美しい。
大学のキャンパスには、傘もささずに濡れていく若者の振る舞いが美しい。若いということはそれだけで許されるのだなと、この年になって、今頃になって羨んでいる。
♪この街が好きさ 君がいるから この街が好きさ 君の微笑みあるから
高石ともやの「街」の一節が蘇ってくる。
緑濃いキャンパスを歩いて、ふとニュージャージーのプリンストン大学を思い出した。3度ほど訪れたことがあるが、そのひとつはちょうど今頃だった。全学が新緑に蔽われ雨が降っていた。まさに緑雨だった。ヨットパーカを着くずした若者が読書しながらボートのオールを小脇にかかえて足早に歩いていた。
日本の大学は独立行政法人になったとはいえ、依然として学ぶ場研究の場だけでなく青春の揺りかごであってほしい。
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