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定年再出発  

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森嶋通夫的生き方

森嶋通夫的生き方

前から、うるさそうなオヤジだなあと思っていたのだが、近代経済学者ということで数学が嫌いな私としては長く「敬遠していた人物。森嶋通夫。
「ある人生の記録」という副題がついていたので、彼の自伝『智にはたらけば角がたつ』を手にとった。

森嶋は軍隊を体験。戦後京都大学で近代経済学・社会学を学び助手の段階で大阪大学へ遷る。マルクス主義全盛にあって近代経済を研究する彼は一途に学問に精進する。かなり独断的だがその一生懸命さには好感をもつ。が、大阪大学へ移動し助教授になったあたりからその独善性は読む者にも辟易させる所が多くなる。
 野心的な彼は社会経済研究所(阪大社研)の設立をもくろみ、実際に立ち上げることに成功する。やがて、そこで、同僚の安井琢磨、畠中道雄、二階堂副包らと共に、阪大社研の黄金期を現出させるのだが、彼の振る舞いが原因となって、研究所内部での意見対立が起こる。その紛争の収束をはかることもあって1968年にイギリスに渡った。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)などで教授を歴任した。後に文化勲章を受章する。2004年に死去した。

不思議な本だ。たいてい自伝というのは自己弁護だから、その正当性に読者も同意していく(黙契)ものだが、森嶋のそれは明らかに一方的で理不尽な論理がどんどん拡張していき、彼の論理に苦々しい思いをもちながら読みすすむことになる。彼の論争相手になった人物にとって、まことに不快、憤怒を覚えたのではないかと同情すら覚えてくる。”被害者”の姿が目に浮かんで来るようだった。
敵であってもフェアーに表現をしていると、森嶋は臆面もなく記しているが、かなりの森嶋の一方的な言い分を書き立てて、欠席裁判を森嶋は行っていると私には思えた。こんなくだりがある。登場する人物を仮名でなく実名にした森嶋の弁明である。

《第一に、彼らは―たとえ間違ったことをしていても―分別のある大人がしたことだから、責任をとらねばならない。第二に、私が間違った行為とみなす場合でも、彼らの立場から正当な行為だと考えて行ったのなら、少なくとも彼らにとっては、それは名誉ある行動であったはずである。そういう紳士ないし騎士を仮名や略名で準犯人扱いして呼ぶことは避けるべきだと考える。》

こんな論理はあるのだろうか。のっけから、対象人物は間違ったとしてもと犯人扱いするような論理を配置させておいて、相手の言い分のウラはとらず、だから相手の主張を掲載させず、一方的に自分の論理を語っておいて、その人物の”不行跡”をあげつらったうえに、その人物に大人なのだから応分の責任をとるために実名にした、と言うのだから。

それまで、岩波から本を出したりして森嶋のことをリベラルな人物じゃないかと思い込んでいたのだが、どうやら相当狷介な人物だったようだ。ある若い人のブログには森嶋の語る戦後教育の弊害論は、「ウヨク」の岡崎久彦氏と同じレベルではないかと批判されていた。

《森嶋通夫氏の言っていることは、要は日本の戦後の世界に冠たる経済発展は日本の戦前世代がリードした、でもその戦後世代も今や現役を引退し、戦後世代がリーダーとなっているのだが、戦後世代ははっきりいってろくな教育を受けていない「馬鹿」であり、日本は今後数世紀に渡って「台湾や韓国並み」の重要でないアジアの国家として生き続けざるをえない、との予言だ。背景にあるのは、日本の戦後教育に対する途方もない不信と軽蔑である。》

だが、私はこの人物を嫌いにはなれない。すぐムキになって正当性、正統性を主張する、私の論文はこれほどたくさん引用された、40歳という若さで国際学会の副会長に選出された、などの業績を無邪気にひけらかすのだ。文化勲章をもらったときでも、本当はうれしくなかったと言いながらしっかり自慢している。

そして、この伝記の面白いのは先行きに破局が起こりそうだということを予感させながら、はらはらさせて読ませていく高度なユーモアがそこはかとなくただよっている。どうやら、森嶋は自分の独善性や頑迷さをそれとなく分かっていたようだ。妻瑶子の口を借りて、自己批判を布置している。

少し古いタイプの学者バカだなあと呆れながら感動して読み切った。

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by yamato-y | 2009-05-09 16:57 | Comments(0)
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