テッペン
昨日、今日、明日とスタジオで、私のチームがドラマを撮っている。
昨日は、マガジンの編集部の場面。本日は編集者たち行きつけのバーのシーン。明日はサンデー編集部の場面となっている。
主役の二人がすごくいい。マガジン編集者真壁の伊藤淳史さん、サンデー編集者三条の成宮寛貴さん。この二人が少年週刊誌の幼年期に活躍した編集者たちの姿を演じてくれるのだ。ドラマとして、両誌のライバル関係を描いている。もちろん、ドキュメンタリー畑出身の私が担当するのだから、ドラマオンリーではない。このドラマにドキュメントを織り交ぜて、表現しようと考えている。
かつて、広島時代に、夏の原爆に関する番組で、これとよく似た手法を用いたことがある。「ヒロシマに一番電車が走った日」というドキュドラだ。このときはドラマというのでなくアニメを作り、そのアニメとヒバクシャの証言を織り交ぜて構成したのだ。その手法にかなり近い。
2日間、間近でドラマ作りを見ながら(プロデューサーの私は直接演出はしない)、ドキュメントとは違う苦労がたくさんあることを改めて知る。例えば照明。いかに、らしく画が上がるかはかなり照明に負うところが大きいのだ。それと、カメラは4台のマルチで撮影するから、そのカメラ割りということに「監督」はかなりエネルギーを割く。その監督の意向をスタッフに伝えたり、役者たちのコンディションを維持したりすることに、必死で努めているのが、3人の助監督たちだ。彼らがスケジュールの進行をたしかめながら、撮影をすすめるのだ。テキパキしていて気持ちがいい。
本日は13時から始めて現在21時。順調に推移しているが、それでも収録終了は24時になるだろう。
技術のスタッフたちが帰りの時刻を確認しあっている。
「今夜はテッペンだよな」
「そう、終電にギリだよね」
午前0時をギョーカイではテッペンというのだ。30人ほどの役者、スタッフは一丸となってテッペンを目指す。そういう仕事というのは、船乗り同様、運命の共同体だなと思える。
それにしても、今週は実に目まぐるしく動いた。「赤塚不二夫」の仕上げと放送、「ザ・ライバル」のドラマの収録。「ザ・ライバル」のドキュメント部分の取材の確認。加えて、あらたに「マンガのタカラ」という43分の番組のスタジオの出演者選びと取材。
半年ほど、番組をじかに触ることがなかったのに、ここへ来て3本が並行して走ったのだ。
忙しくて疲れるが、心は高揚している。
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