無事にお勤めを終え
13日の金曜日、検査入院をした。この一ヶ月、トイレがかなり近くなっていた。シンヤマさんが親切にも専門医に見てもらうべきと強く勧めていただいたので、PSAのマーカーを調べると、半年前よりやや数値が上がっていた。それで、代々木の大学病院で一泊の生検となった。
一応、細胞の一部を切り取って検査をするので部分麻酔をかける。そして予後の観察ということも必要ということで宿泊入院となったのだ。この生検は一応オペ(手術)と称する。
久しぶりの入院は新鮮だった。特に夜の病棟はこんなに多忙なものだというのは、体験しなければ理解できないものであったろう。私が入った4階には20室、個室、大部屋が並び、患者はおよそ30名ほど。そこを、3人の宿直看護士が見守っている。患者の枕元にはナースコールのブザーがある。それを押すと、宿直しているナースステーションのスピーカーに「乙女の祈り」のチャイムが流れる。
午後10時を過ぎると、頻繁に「乙女の祈り」が院内に流れるのだ。その都度、看護士さんや当番医がばたばたと駆けつける。そして、呼びかけたり励ましたりする看護士の声が聞こえて来る。その呼びかけの声に、思わず頭が下がる。
私は大部屋に入った。隣には70代の男性がいて、術後3日目ということで、10分おきにトイレに通っていた。タイヘンだなあと思いつつ、眠りに私は落ちた。
明け方、私の隣が騒がしい。どうやら、排尿に大量の出血があったようだ。応急の処置が行われる。3人のスタッフが懸命に器具を装填している。5分後、静かになった。やがて、隣から寝息が聞こえてきた。よかった。なにせ、私らの部屋は404号室、しかも13日の金曜日。
次の朝、9時に退院した。土曜日とあって病院は休日。通用口からの出入りとなる。門衛の人が詰めている側を通って出たのだが、通過するとき頭を下げると、「お勤めご苦労さまです」と声をかけられた。
なにか、高倉健になった気で外へ出ると、細かい雨が落ちていた。
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