定年再出発 |
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イタリアの旅6 ベネツィア2日目
![]() イタリアに来て初めて晴れた。窓から見えるサンマルコ寺院の尖塔の上にさわやかな青空がある。快晴である。 8時に朝食をとる。この天使館の朝飯はぞっとしない。フィレンツェのホテルメニューのほうが豪勢だった。特にパンの品数が少なく、ケーキのような菓子パンばかり。ただしエスプレッソは渋みが少なくいける。食堂から帰りがけに林檎とオレンジをいただいて帰る。本日のお昼の食糧だ。 9時、ホテルを出発。まず近所のローマ銀行で3万円をユーロに換金。また円が下がっていた。 サンマルコ広場の大きなアーケードを一周する。ベネチアンガラスの店が4、5軒あり、冷やかして歩く。やがて10時となり、サンマルコ寺院を見学し、隣のバカーレ宮殿を見る。 寺院はファサードの華やかさに比べて内部はこれといったものもない。この寺院と軒を接する宮殿のほうが壮大さといい昔を偲ばせる古色といい面白かった。ここにはティントレットをはじめてとするベネツィア派の壮大な画がそれぞれの広間に架けられている。その佇まいが往時の繁栄を示していた。画そのものは、ウフッツイに比べると劣る。大きさばかりきわだっていて、大味の紙芝居のようだ。ベロネーゼの天井画のいくつかが心に残るぐらいか。 なによりも、ここで関心をもったのは牢獄である。戦争で捕らえられたり罪を犯したりした者を押し込めておいたといわれる、石の牢獄にはぞっとする。冷たく暗い牢獄に一生閉じ込められる苦痛を想像しただけで胸が痛い。閉所恐怖症の私には耐え難い場所。バカーレ宮殿の裁判所で裁かれた罪人はこの牢獄から隣の建物にある牢獄へ移されるとき、囚人たちが渡る橋がある。「ため息の橋」と呼ばれる。この橋は家橋で窓からちらりと外界の運河が見える。この世の見納めの風景だ。これを見て囚人たちは嘆きためいきをついたところから、この名前が付いたと案内書にはある。 その後見た、槍、刀、弓、鎧、鉄砲など武器の数々。15、6世紀の戦乱のすさまじさを味わう。城内には血生臭いものが充満している。早く、ここを脱け出したいという気になった。 12時となり、休憩をとることも兼ねて館内のカフェテリアでパンと紅茶をとる。歩きっぱなしで腹がすぐ減り、足も棒になっている。パニーニを暖めたものは値段が安いわりに美味しい。 外は晴れて爽やかな風が吹いている。大運河をはさんで対岸の地区まで歩くことにした。途中、ガラス美術品やブランドショップの高級店があちこちにある。一軒のギャラリーにはダリ、ピカソ、ミロなど二十世紀の巨匠たちのリトグラフなどを扱っていた。これはツーリスト相手の店とは思えない。この町には大金持ちが幾人も住んでいるらしい。 対岸への大きな橋を渡ると、そこにはアカデミア博物館。一人12ユーロと料金は高いが払って中に入る。最初の部屋は延々とイコンが並ぶ。あてが外れたかと思っていたら、ジョルジョーネの「嵐」も「聖マルコの奪還」も本物を見た。眼福である。ここでは1時間ほどで見学を終える。外へ出ると、あまりに晴れて心地よいので、運河の端まで歩くことにする。途中で水路が無数にあって、反り橋を何度も上がったり降りたりする。これが、須賀敦子『道のない旅』に記されていたベネツィアで使われる言葉の「上がったり降りたり」の語源かと、一人でほくそ笑む。 この地区の西端にある海に浮かぶ聖堂を目指して歩いていると、途中で人が出入りする瀟洒な屋敷があった。何だろうと思って庭先まで入ると、美しいモダンなガラス張りの建物があって「uscita(出口)」 と表札が出ている。受付まで行って建物の名前を調べると、「グッゲンハイム現代美術館」であった。この名前はニューヨークの名所として知ってはいるが、このベネツィアになぜ支所のようなものがあるのだろう。グッゲンハイムという名前からしてもイタリア関係者とは思えないし。でも宗教画ばかり見ていささか食傷気味だったので、現代絵画でも見ようということにした。これが大正解であった。 入ってすぐにシュルレアリズムの巨匠たちの作品が並んでいるではないか。特にマックス・エルンストの大きな作品が二つもあるのには驚いた。解説によれば、このコレクションのオーナー、ペギー・グッゲンハイムはかつてエルンストと結婚していたことがあると書かれてある。あのシュルレアリズムの大立者と懇意なオーナーとあれば、他の作品も期待できる。すると、ピカソ、ミロ、タンギー、ジャコメッティ、ポラック、ポール・デルボー、クレー、シャガール、モンドリアン、カンディンスキーなどなど綺羅星のごとき作家の作品、しかも代表作がずらりと並んでいた。狂喜乱舞の思いで画の前に立つ。足が棒になっていることも苦にならない。 キリコの初期作品「赤い塔」があった。形而上絵画といわれる不可思議な世界。初めてその作品に出会った。おそらく、これからキリコについて調べたくなるのではないか、そんな予感をこの画から受けた。 最後に、マグリットの「光の帝国」の100号ほどの作品を超間近で見ることが出来たのは幸せだった。あらためて、これはプリントや写真とは関係のない、手書きの作品と知って、その闇と光の鎮まる帝国に陶然とした。 外へ出ると、風が吹いていた。緑がいちだんと美しい。一刻も早く波光きらめく海がみたいと思った。大運河の見えるところまで急ぎ足で水路を越える。また上がったり降りたり。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか ![]()
by yamato-y
| 2009-03-10 12:29
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