捲られる私
風の指が私を忙しくめくっていく 岡島弘子
いつも思うのだが、風って何だろう。昨夜、真っ暗なツヴァイクの道の坂を登った。2月の寒い森を風が吹きぬける。梢をざわざわと揺らす。夜のツヴァイク道は真っ暗で不気味。でも、坂道をしばらく歩いていると、汗ばんできて、その風が誰かのように付き添ってくるように感じる、思えてくる。
風は誰かの作用のように思えてならない。どうも、私という存在は、超越する誰かから見られている気がする。
物心がついてから、私はどれくらい風に吹かれてきたのだろう。木枯らしのような激しい風もあればそよ風のような優しいものもあった。その風を受ける私の側から見れば、上の岡島弘子の詩の一節と同じ心境になる。
捲られる実感はあるが、忙しくというのは今の私にはない。まあ、スピードは普通だ。
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