読む快楽ツヴァイク道を歩いたら冬芽が出ていた
よほど晴れているのだろう。遠く大島が見えた。
正月休みのような長い休暇はいかに過ごすか。
30代の頃は民生用ビデオが出回ったたばかりで、映画のレンタルビデオを5,6本借りてきて見続けることが快楽だった。
「先輩は、この時期は何をしていますか」と聞いたら、「新日本文学」に寄稿していたその人は「こういう時期にこそ、ギボンの『ローマ帝国衰亡史』を読もうと思うのだ」と言った。うひゃあ、こういう人にはかなわないと思って早々に退散した。
40代は仕事のネタになるような本をだらだらと読んでいた。適当に、小学生となった娘と中学生の息子の相手をしているうちに1週間なんてすぐ終わった。
50代は図書館の本を読んだ。一人10冊の利用者カードを、二人分使って20冊。ビニールバッグに詰め込んで持ち帰るときは楽しかった。自前では購入しない林真理子だとか逢坂剛だとかを選んだ。そんななかに藤沢周平や吉村昭らお気に入りも入れることは忘れない。小説とエッセーばかりだった。
53歳の冬は、「テレビ制作入門」という新書の原稿をまとめるだけで、休みが終わった。このときはずっとパジャマのままだった。
今振り返ってみると、たしかにビデオを見たり小説を読んだりしているが、快楽だけではなかった気もする。番組企画のヒントやネタになることを無意識のうちに探していたような気がする。貧乏性としかいいようがない。
どうも、長期休暇というものをうまく活用できない。日ごろ、時間ができたら読もうと思って買い置きしておいた本なども手にとることなく休みは明ける。それだけでなく、何か文章を書いたり企画書をまとめたりしないと落ち着かないのだ。特に、この3年、ブログを始めてから、一日に一回はパソコンの前に座らないと気がすまない。座ったから何かをやるかというと、たいしたこともやらない。こうやって、繰言のような駄弁のようなことを徒然に書くだけだ。
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