番組冥利
こんな言葉をいただいた。
《先ほど、NHKアーカイブスで「もう一度投げたかった」の再放送を久しぶりに見て検索しこのブログを発見しました。94年の最初の放送から何度も見ているのですが、いつも涙が出て止まらなくなります。私も43才になるオヤジなんですが・・・。
94年当時、私は自分の仕事への適性と能力に悩み、新卒で入社した制作会社を辞め自宅に引きこもっていた時期でした。結局、今も同じ仕事を続けています。あの時、背中を押してくれたのが「もう一度投げたかった」でした。見終わって、履歴書を買いに行ったことを覚えています。
ささやかな私の再起のきっかけになってくれた思い入れがあるせいか、何度見ても大泣きしてしまうのです。今も悩みは多いですし、日々苦しいことの連続ですが、この仕事を続けようと思っています。制作者の方に一言、お礼を言いたいです。あの番組を作ってくださってありがとうございました。また新しい気持ちでやっていけそうです。》
エネルギーの交換ということを思う。この言葉を贈っていただいた方は、制作担当である私に感謝を述べていたが、私自身この人の言葉で励まされる。時に、テレビの番組って何だろうと迷うことが多いなかで、こういう言葉をもらうと、再び立ち上がってみようという気にさせてくれる。私らがあなたの背中を押したなら、あなたが今度は私らの背中を押してくれている。それって、生きるエネルギーの交換ではないだろうか。
ああ、ずいぶん忘れていた。人を励ますような、生きていくことを肯定してくれるような作品。そういう志は最近どこかへ置いてきていた。
なんとか、企画が通るようにと、今風のネタをあれこれ探ってばかりいた。番組を制作することが目的で、どんな番組を作りたいかは、近年気持ちが薄らいでいたといわざるをえない。
昨夜、映画「君に読む物語」を見た。どうってことのない映画だったが、その青春の部分にだけ心ひかれた。若い男女がひたむきに一夏愛し合うその迸りに心奪われた。あんな日があった。そうだった。見終わったあとの余情を味わいながら、こんな思いの番組を作ってみたいと、思う。
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