光男くんの碑
明け方夢をみて、その後尿意を催して目が覚めた。
トイレから帰って来て、ぼーっとした頭でこれを書いている。久しぶりに夢に出てきた小学校時代の友だち光男くんのことを忘れないうちに書いておこうと思ったから。時計の針は午前6時を指している。
巻き毛(といっても女性のような状態でなく、短い髪がくるくるリング状になっている)が特徴だった光男くんが中学生の姿でちらりと現れた。同級生だが先年亡くなっているから、私と遊んでいた頃の光男くんの姿だ。でも、夢のなかでは1カットしか彼は出て来ない。
田舎の駅に列車が近づいて徐行している。線路のワキに光男くんの碑が立つということで、私は参加している。その参列者のなかに中村錦之介(萬屋ではない、若い頃の彼だ)や大瀬康一らがいる。関係者らがざわざわと碑の周りにいる、といった夢だった。どうってことのない、だけどなぜか往年のチャンバラの映画俳優やテレビ俳優がなぜ出てきたのか説明のつかない夢だったことが不思議といえば不思議。だが夢は覚醒時とは違う論理だから、ま、深く考えまい。久しぶりに現れた小学時代の友のことを覚えておきたいと思って、パソコンの前に座った。
それまで朦朧と片目だけ開けて画面を見ていた。7時になった。ようやくしっかり目が覚めた。フォントが明朝体に変換されていることがきちんと把握できたから、満更夢うつつでもなかったらしい。窓から空を眺めると、どんよりとした冬の雲の端に青空がうっすらと見えている。今日も寒いかもしれないが、晴れそうだ。
昨日は2ヶ月ぶりに句会に参加した。自由題40首、兼題30首を味わいかつ選句するのは、かすかな緊張があって面白かった。知らない季語が頻出で、充実した歳時記を入手の必要を痛感。「名の木枯る」・・・杉やケヤキなど知られた木が枯れるさま、という冬の季語。「一文字」・・ネギのことでこれも冬。歳時記の傍題の読み方を教えてもらう。いわゆる見出し季語の派生語のことだ。例えば、霜の声というのは見出し語「霜」の「傍題」となり、霜が立つ音を表す。つまり霜を聴覚から受け止める。これを知ると知らないでは大違いとなるわけだ。
句会のあとの定例の飲み会で目白に午後10時までいた。今年一番ではないかと思われる冷たい風が吹いていた。そのなかを、帰ってきて、風呂に入ったらすぐ寝た。
ぐっすりと眠った。
その眠りの最終コーナーのなかで、光男くんが夢に現れた。
どうしてかな。あのころ仲のよかった4人組の、ただ一人光男くんだけが夢にときどき出てくるのは。早く亡くなったからだろうか。
他の二人にしても消息が知れないから、同様の喪失感があるはずだが、ない。
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