「最初から今まで」
最初の特集「冬のソナタへようこそ」を制作したときのことだ。
スタジオにコンサートサロンを作ろうと思った。そこの名前はポ
ラリス。私が命名した。百人ほどの客が入った音楽サロンだ。
正面に舞台があって、周りをソナチアンが囲むというイメージ。イ
メージは出来たが、音楽を誰に舞台用にアレンジしてもらって、
演奏してもらうかが大問題だった。オリジナルはRYUさんが音
楽監督をやっているが、できれば日本のミュージッシャンでやりたい
と思った。
たまたま、ディレクターが森山良子さんの会社と知り合いだっ
たので相談すると、島健さんを紹介された。アレンジャーとして
業界では知らない人はいないという。サザンの「TSUNAMI」の
アレンジなど多数手がけていられる。多忙ななかを引き受けて
いただいた。
番組で使用する4つ楽曲をアレンジしていただき、ご本人にも
ピアノ演奏で登場していただくことにした。
本番で聞いた時たまげた。すばらしくカッコいいあがりだったの
だ。洒落ていた。バイオリンで川井郁子さんにも加わってもらった
が、これも島さんのアイディアだった。さすがと思った。
でも、まだその時私は「冬のソナタ」を十分理解し味わっていなか
った。音楽のテーストだけで判断していた。
放送すると、あるソナチアンから「最初からいままで」のテンポが少し
早いのではないかという、投書があった。何を言っているの、カッコ
いいあがりじゃないと内心反発した。
先日、その番組を見直す機会があった。あれから1年ずいぶん何
度も「冬のソナタ」を見た。
その体験に立つと、たしかにテンポは少し早いかなと反省。あのソ
ナチアンが大事にしていたものが今になって分かった。でも、また演奏
する機会があったら、島さんにお願いしたいと思っている。もう少しテ
ンポを遅くして。
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