定年再出発  


懐かしい空
by yamato-y
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最新のコメント

夏の香りチェック

 「夏の香り」チェック

 「夏の香り」の第7話まで見た。この作品は「秋の童話」に比べて、格段に「冬のソナタ」に似ている。
脚本家が同じだからかもしれないが、人間関係のとり方などあまりにも似ているので驚いた。これが「冬のソナタ」の前に作られていれば、「夏の香り」は冬ソナの練習作だったと考えるところだが実際は違う。冬ソナを終えてこの夏の香りにユンさんは取り組んだ。最後まで見ないと何とも言えないが、ユン監督はなぜ冬ソナと同列の作品を作ったのだろうか。

 「夏の香り」は「秋の童話」に比して悪意が少なく見ていて後味が悪くない。主役二人を取り巻く人々も底意地が悪いわけでもない。運命のいたずらで二人は翻弄されるとしかいいようがない。美しい自然の中で二人の思いや他の人の思惑がさまざまに交錯するのだ。
 「美しい日々」にしても「天国の階段」にしても、評判の韓国ドラマは韓国の海浜や山林を借景にして撮ってもいるが、ユン監督作品のように存在感があるわけではない。あらためてユン監督の力量に感心する。
画面を見た途端、その世界に引きずり込まれてしまうのだ。なぜだろう、韓流でたくさんの韓国ドラマが今紹介されているが、ユン監督作品ほどの磁力はない。意表をつくカットの繋ぎや回想を軸にした話の転換など見ているうちにユンさんのパターンが見えてくるものの、分かっていてもその世界にはまっていく。
 観客は単に見るのでなくその世界に入りこみ登場人物と喜びや悩みを共に味わうのだ。

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# by yamato-y | 2005-02-26 18:38 | 夏の香りチェック | Comments(0)

冬のソナタの秘密5

雪はげし
今年は東京も雪が多い。昨夜も遅く降った。今朝起きてみると目黒台地が白くなっていた。

 雪は「冬のソナタ」の重要なシンボル。ソナチアンが選んだベストシーンの第1位が、「初雪の日のファーストキス」だったぐらい、このドラマにおける雪の印象は深い。最初、ユン監督はこのキスシーンを夜の湖で撮影する予定だった。というのは夜のほうが雰囲気が出るから。ところが、初恋の純粋さを示すなら白い世界のほうがふさわしいのではないかと思い直した。それで、午前の光がよく反射する時間をえらんで、雪の中のキスとなったのである。小鳥たちのついばむようなピュアで可愛いシーンが生まれた。このエピソードをグランドフィナーレの中でユン監督は明かしてくれた。
この物語のシンボルが雪ということを、もっとも表しているのがタイトルバックだ。ナミソムの林に霏々として降る雪、このモノトーンの雪の風景を表紙にして、物語「冬のソナタ」が紐解かれていく。
このタイトルを見ていて思い出した俳句がある。美人の誉れ高かった橋本多佳子の詠んだ句。
       雪はげし 抱かれて息の つまりしこと
そうだ。日本でも同じ感性を持った人が今から30年以上前にいたのだから、私たちが今「冬のソナタ」を見て感動するのは当然といえば当然なのかもしれない。
今朝の残雪を見てそう思った。

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# by yamato-y | 2005-02-25 17:01 | 冬のソナタの秘密 | Comments(0)

冬のソナタの秘密4

キム次長のすてきな素顔

  韓国では連続ドラマの長さは69分であったり72分であったり一定ではない。日本で「冬のソナタ」が放送された時は全て同じ長さ60分に調節されている。実はカットされたところにドラマの仕掛けや伏線など「冬ソナ」のエキスが一杯あったのだが、ユン監督は断腸の思いで短縮したのだ。総合テレビで放送が始まって以来、元の形を見たいというソナチアンの要望がNHKに続々と寄せられた。そして局としては異例の放送を決定。12月にノーカットの「冬のソナタ」完全版をまとめて特別放送することにした。
その素晴らしさを広く知ってもらい再び「冬ソナ熱」を盛り上げるため、私は「冬ソナ」特番第4弾を作ることとなった。実は私は3本の特集をすでに作っているのだが、まだ知られてないことがあるということで「もっと知りたい冬のソナタ」と題して取材することにしたのである。
 早速白羽の矢を立てたのが、主人公の兄貴分でキム次長として軽妙な演技を見せ評判をとったクォン・ヘヒョさん(39)である。新潟中越地震の翌々日、ソウル大学路のスタジオで会うことにした。韓国はちょっとした演劇ブーム。たくさんの芝居が上演されている中でクォンさんの出演する「アート」が評判になっていた。クォンさんはうまい役者として注目されている。
われわれ取材班と顔を合わせたとき、彼は開口一番「この度の地震で、日本の被災者の方々はお気の毒で心配です」と眉をひそめた。心から悲しげで、誠実な人柄に好感をもった。
クォンさんは、ソウル特別市の北の郊外緑多い住宅街に妻と一男一女の4人で暮らしている。妻はシェークスピア劇で共演したこともある同じ劇団の女優(だった)ジョ・ユンヒさん。結婚して10年になる。3回流産したと悲しげに当時を語るキム次長、二人の間にはなかなか子どもが出来なかった。子宝に見放される度に犬を飼ったので2匹の愛犬は家族同様だと、家の近所の森を愛犬と散歩しながら言う。
 そして、長男ユジン君が誕生した。現在6歳になる。苦難のあげく授かった子だから、ひときわ可愛い。その5年後長女のジインちゃんが生まれる。いつしかクォンさんは子煩悩になっていた。
アウトドアの趣味はいかがですかと尋ねると、自然を変えるようなことはしませんという律儀な返事。クォンさんは自然保護を進めるNGOの活動に参加しているのだ。子宝に恵まれてから、命の大切さを痛感し、子どもたちの将来を案じて環境問題に取り組むようになったという。
あなたの楽しみは何かと尋ねると子どもたちの将来だよと照れくさそうに笑う。自分で思っているだけだがと断りながら、愛児たちが「国境なき医師団」に入って仕事するような人生を将来送ってくれると嬉しいなあと、夢見るように答える。
 夕刻、長男を迎えに女子大の付属幼稚園に出かけることになった。仕事がオフの時はいつも子どもと共に過ごすことを最優先にしている。それを撮影したいと言うと気さくに応じてくれた。午後5時、幼稚園の玄関に飛び出してくるユジン君に、クォンさんは手にしたサッカーボールをポーンと放る。息子ははしゃいでその玉を大きくキック。その後から級友たちもワイワイ集まってくる、入り乱れてのボール遊びが始まった。撮影のためのパフォーマンスでないのは、他の子どもたちがクォンさんにとてもなついていることで分かる。日がとっぷり暮れるまでゲームは続いた。
 すべて取材を終えた後、クォンさんは我々取材班を焼き肉店に連れていってくれた。彼のマネージャーも加わってミニ打ち上げとなる。その店の名物は珍しいウナギの「焼き肉」だ。日本の蒲焼とは違って、ウナギのぶつ切りが白身で焼かれる。焼けた白身と野沢菜のような漬物と合わせてサニーレタスに包んで食べる。熱々の身が冷たいレタスと合わさって美味だ。ここはなかなかの老舗ですよと、ちょっと鼻が高いキム次長。そしてドラマでも見せた「ホッホー」と例の合いの手を、話の端々に入れる。元来の彼の癖なのだ。会話の間、実に楽しげに「ホッホー」を連発し、かつ他人の話にじっと耳を傾ける。けっして自分中心ではない。
 食事をしながら再び新潟中越地震の話題になった。クォンさんは、あれだけの地震で被害が軽微だった新幹線の技術は凄いですねと称賛する。1964年開業当時からずっとウォッチングしてきましたよと、半端ではない鉄道ファンとしての知識を披露してくれた。クォンさんはメカに滅法強いのだ。趣味はカメラでローライのプロ仕様を使っている。実は、若い頃「ナショナルジオグラフィック」の写真記者になりたかったそうだ。
 ジョークを飛ばしながら、食卓にも目を配り、暖かくもてなしてくれたクォンさんに、スタッフはすっかり魅了された。別れの握手をするとき、「冬のソナタ」を通じて日本と韓国の間が近くなったことが本当に嬉しいと彼はギュッと力をこめた。驚いて顔を見ると、あの瓢軽なキム次長とは違う真面目なクォン・ヘウヒョさんがいた。


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# by yamato-y | 2005-02-24 17:41 | 冬のソナタの秘密 | Comments(2)

冬のソナタの秘密3

グランドフィナーレ
                                
 昨年の8月21日に最終回を迎えたNHK総合テレビ「冬のソナタ」は20・6㌫という驚異的な数字を記録した。1千万近い人が魅了されたのである。このドラマはこれまでに衛星で2回放送されていて「新品」ではない。韓国ドラマで放送が深夜で、しかもオリンピックの最中と厳しい環境にもかかわらず、この快挙となった。
 春から「冬のソナタ」を総合テレビで放送を始めるので、特集番組を作ってほしいと依頼されたのはまだ寒さが残る1月だった。入社以来34年、ドキュメンタリー一筋の私としてはメロドラマのキャンペーンと知って面食らった。まもなく定年となる私の前に純愛をテーマにしたドラマが現れたのだ。特番作りの参考にと全20話をビデオで視聴して、浅薄な私の認識が打ち砕かれた。このドラマは単なる純愛を描いているわけではない。自己犠牲という愛のテーマを丁寧かつ誠実に見つめていた。現代の日本人が忘れてきた多くのものがあった。心に残る言葉、懐かしく美しい風景、切なくも美しい生き方――大勢の人の心を掴んだ秘密が分かった気がした。
 私は特番制作に本気になり、韓国へ飛んだ。ヒロインのチェ・ジウを引っ張り出すことにしたのだ。3月初旬チェさんの初来日実現。こうして「冬のソナタへようこそ」(3月27日放送)は生まれた。日を置かずに今度はヒーローのぺ・ヨンジュンが来日。すぐに「素顔のぺ・ヨンジュン」(4月30日放送)という特集を不眠不休で作った。世の中にヨン様、冬ソナという言葉が飛び交うようになる。 ドラマの本放送が始まった。視聴率は5月に入ると2桁台に突入ぐんぐん上がっていく。冬ソナは社会現象になり始めた。
 そして最終回を迎えたのである。熱いファンレターが続々と届く。このドラマによって救われたという便りや青春を取り戻したという声やメールが係に2万件以上寄せられたのである。生真面目なファンたちを私は密かにソナチアンと名付けていた。――ソナチアンの熱い思いを見過ごせないと、特別番組が計画される。またしても制作担当は私となり、思い切って公開番組のイベントを企画した。8月28日、NHKホールに三千人のソナチアンを集めユン監督や脚本家を招いて、「冬のソナタ・グランドフィナーレ」が開くことにしたのである。観覧希望の葉書が2週間で8万通届いた。当日会場は熱気につつまれた。テーマ曲に聞きほれ、名場面に涙ぐむソナチアンがあちこちに見られた。登場したユン監督をじっと見つめるソナチアンがいた。
グランドフィナーレの最後にユン監督は、このドラマを通して日本人から大きな感動というプレゼントをもらった、これからも両国の交流のために力を尽くしたいと顔を紅潮させて語った。2005年の今年は日韓条約40年という節目で「日韓友情年」にあたる。


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# by yamato-y | 2005-02-23 18:13 | 冬のソナタの秘密 | Comments(0)

「夏の香り」チェック②

 天気雨

今朝は不思議な天気だった。麓は晴れているのに山は雨が降っている。この季節にしてはめずらしい、天気雨だ。
「夏の香り」の前半(まだ全部チェックしていない)のキイワードに天気雨がある。この天気雨に遭って雨宿りする男と女。天気雨のことを「虎が婿入り」すると男は言い、女は「狐の嫁入り」と言う。ここから物語がほどけていく。
 この雨の撮りかたは美しい。さすがユン監督だ。秋雨や春の長雨のようにへヴィに降る雨ではなく、にわか雨といった爽やかな雨に仕上がっている。まさに夏の香りがするような『万緑の雨』だ。万緑つまりオールグリーン。そういえばタイトルバックも濃い緑に雨粒が落ちて波紋が広がるといった意匠だ。天気雨―緑―心臓(心臓については別の機会に書こう)。
これらのキイイメージが「夏の香り」を彩っている。
 にわか雨で雨宿りする男女というのは、映画「8月のクリスマス」(ホ・ジノ監督1997年)や「ラブストーリー」(クァク・ジョエン監督2003年)でも使われた設定だ。雨と恋というのは韓国では定番なのかもしれない。それぞれ美しかった。特にラブストーリーの主演ソン・イェジンはこの「夏の香り」のヒロインヘウォンを演じている。このことは特筆しておこう。病弱だった彼女が心臓を移植されて活発でお茶目な人格に変わっていくこと、時々見せるセンチ、優しさなど若いがうまい役者だ。むろんヒーローのソン・スンホンは監督のお気に入りだけあって、陰りをもつ人物ミンユをよく演じている。
 このドラマの脚本も「冬のソナタ」コンビのキム・ウニ、ユン・ウンギョンさんたちだ。語り口が似ている。愛しているということを暗示させるのに、ゲームで表すところなどそうだ。冬のソナタの場合尻取りゲームだった。夏の香りでは連想ゲームを使っている。これも韓国文化の伝統につながっているのかもしれない。言葉や文字を大切にする「文」の文化という意味だが。
 ユン監督の作品は現代的な風俗で描かれてはいるが、その精神は朝鮮の伝統文化に根ざしているように思える。

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# by yamato-y | 2005-02-23 13:27 | 夏の香りチェック | Comments(0)

大磯暮らし②

ツヴァイクの道

 我が家のあるモミジ山から麓までの道を、私はひそかにツヴァイクの道と呼んでいる。お気に入りの作家シュテファン・ツヴァイクに因んだのである。彼はザルツブルグのカプチーノ山に住んでいた。「サウンドオブミュージック」の舞台となった町である。20代の終わり、ザルツブルグへ行ってツヴァイク邸を訪ねたことがある。ツヴァイク自身、ナチに追われ亡命先のブラジルで自殺したからその邸宅の所有者は現在別の人物である。だが屋敷も庭も当時のままであった。深い緑に包まれていた。高い柵越しに静まる屋敷を見てツヴァイクの非業の死を思い私は胸がいっぱいになった。
 ツヴァイクは当時の流行作家で司馬遼太郎のような存在だった。歴史を題材にとった小説は無類に面白く、多くのファンをつかんだ。執筆に飽きると家の周りのカプチーノ山をツヴァイクはよく散歩した。その散歩道を辿ってみた。予想以上に文明が入り込んで車が往来していたが、この道で『人類の星の時間』や『マリー・アントワネット』、『権力と闘う良心』といった名作が生まれたかと思うと胸がふるえた。ツヴァイクは今も愛読書の一つだ。
 いつか家を建てることがあったら、山の上にと思っていた。現在、相模湾を遠望する
山上に住み毎朝山を下って通勤する度、あの思いがよみがえってくる。おこがましいがモミジ山をカプチーノ山に見立てたいのだ。
 今朝、ツヴァイクの道に陽光がさんさんと降り注いでいた。こういうときは、手のひらを太陽に向けて精一杯吸収するといいと、葉祥明さんから教わった。木々は芽吹いていた。
 大磯駅のフォームに立つと構内の桃の木があざやかな花をつけていた。

 夜行「冨士」 海辺の駅の 桃を過ぐ

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# by yamato-y | 2005-02-22 18:56 | Comments(1)

シュウカツ(就職活動)

若いって素晴らしい

 昨日、男子学生3人と女子大生一人が私を訪ねてきた。シュウカツのための会社訪問である。1昨年から京都の大学で私は客員で教えている。男子は教え子、女子は在京の学生で彼らの友達ということだ。4人ともマスコミを志望している。
 まず、放送局とはどんなところかを知るためにスタジオやスタッフルームを案内した。音楽用の広大なスタジオ、ドラマスタジオ、こども番組のセット、サブ、編集室などを1時間ほど見てまわった。感想を聞くと「いろいろな職種の人が一杯いるって感じですかねえ」と仕事の幅広さと人の多さに呆れていた。
 京都の学生たちは私の映像メディア論を受講してからマスコミに興味をもったようだ。その授業では実際10分の番組を制作するのだ。テーマは「発見!大学の**」。毎年30人ほどで三本作っている。機材は電気店で売っているデジタルカメラと編集用のパソコンだけだが結構仕上がりはいい。半年間、実質2週間程度で作業するのだがユニークな番組が出来る。実際に作業をはじめてみると夢中になり、番組制作の「楽苦しさ(たのくるしさ)」を味わいひきこまれてしまうのだ。いつも受講生の中から10名程度テレビ局を志望する者が出てくる。(この授業の様子を今本にまとめようとしている)
 夜、4人を渋谷の焼き鳥屋に連れて行った。二人の学生は11時の夜行バスで帰洛するので、それまでの時間つなぎも兼ねて。ビールが入ると学生たちの口はなめらかになって、就職の現状を話す。景気がやや上向いた(数年前に比べて)とて、就職戦線はまだまだ厳しい。出版などではなかなか内定がもらえないとこぼす。でも、私が面接時の心構えなどを話すと、一言ももらすまいとじっと耳をすます。顔つきがいい。若さがみなぎっている。こういうやる気満々の有為の若者を、この国はつぶさないようにしていってほしい。
 来月に入れば、マスコミ各社ではエントリーシートの受け付けを始める。シュウカツはいよいよ本番をむかえる。

      背広着る 慣れぬ言葉や 沈丁花

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# by yamato-y | 2005-02-22 17:18 | Comments(2)

シリーズ・作品回顧2

 「向田邦子が秘めたもの」

向田邦子が昭和56年に台湾上空で命を落としたときマスコミに大きな衝撃が走った。放送作家として華々しく活躍する一方、鮮烈な文壇デビューを飾ったばかりだったからだ。その華麗なライフスタイルは女性の憧れの的だった。その死を惜しむ声が長く続いた。 しかし、謎となっていることが一つある。才色を兼ね備えた向田はなぜ結婚しなかったのだろうか、恋愛の体験はなかったのだろうか――。
向田邦子の作品の中に「中野のライオン」という不思議なエッセーがある。二十年前に電車からぼんやり外を見ていたら中野のアパートにライオンがいたというのだ。意表をつく話で読者の心をつかんだが、この話の影に向田邦子の恋が隠れている。そのことを私が分かったのは、彼女の番組を制作してからのことだ。
 永く謎とされてきた向田の恋の情報が私のチームにもたらされたのは、没後20年を控えた2000年冬のことだった。向田邦子の遺品から向田の手紙5通、恋人からの手紙3通、そして恋人の大学ノートの日記2冊、が発見されたのだ。向田邦子の若き日の恋の痕跡だった。
 向田には10年以上にわたって深く愛した男性Nがいた。しかしNには妻と子がありおまけにN本人は脳出血の後遺症で苦しんでいて恋は成就しない。当時、向田邦子は荻窪に住み中央線を利用していた。Nは妻と別居して中野の実家に戻っていた。最寄りの駅は中央線高円寺であった。そして昭和39年、その男性が自死をとげて、秘めた恋は終わる。向田邦子34歳のときのことだ。
2001年7月、「没後20年・向田邦子が秘めたもの」と題して100分の特集を私は制作した。大きな反響があった。「番組は向田邦子像を実証的にとらえるうえで、全体の構成もよかったし、テレビドラマの本質を教えてくれた」という批評を得た。
 こうして向田の隠された愛をみつけたのだが、そのことを向田がいっさい語っていないことに私はひっかかっていた。後日、エッセー「中野のライオン」を読んだときひらめくものがあった。
 《今の住まいは青山だが、二十代は杉並に住んでいた。日本橋にある出版社に勤め、通勤は中央線を利用していたのだが、夏の夕方の窓から不思議なものを見た。場所は、中野駅から高円寺寄りの下りの電車の右側である。今は堂々たるビルが立ち並んでいるが、二十何年か昔は、電車と目と鼻のところに木造二階建てのアパートや住宅が立ち並び、夕方などスリップやステテコひとつになってくつろぐ男女の姿や、へたをすると夕餉のおかずまで覗けるという按配であった。
 編集者稼業は夜が遅い。女だてらに酒の味を覚え、強いとおだてられいい気になっていた頃で、滅多にうちで夕食をすることはなかったのだが、その日は、どうした加減か人並みの時間に吉祥寺行きの電車に乗っていた。
 当時のラッシュ・アワーは、クーラーなど無かったから車内は蒸し風呂であった。吊皮にぶら下がり、大きく開け放った窓から夕暮の景色を眺めていた。
 気の早い人間は電灯をつけて夕刊に目を走らせ、のんびりした人間は薄暗がりの中でぼんやりしている――あの時刻である。
 私が見たのは、一頭のライオンであった。
 お粗末な木造アパートの、これも大きく開け放した窓の手すりのところに、一人の男が坐っている。三十歳位のやせた貧相な男で、何度も乱暴に水をくぐらせたらしいダランと伸びてしまったアンダー・シャツ一枚で、ぼんやり外を見ていた。
 その隣りにライオンがいる。たてがみの立派な、かなり大きな雄のライオンで、男とならんで、外を見ていた。》(向田邦子「中野のライオン」)
  邦子は目を疑る。息が詰まった。ところが、まわりの外を見ていた乗客が「あ、ライオンがいる!」と騒ぎたてるかと思っていると、誰も何もいわない。寝ぼけたのかと思い直すが、「そんなことは、絶対ない。あれは、たしかにライオンであった。」と、邦子は胸中でつぶやく。
 嘘のような話である。二十年ほど前にライオンを飼っていました、という人が現れないかなと書いて小説新潮に発表したところ、私がライオンを飼っていたという人物が本当に現れた。発売から五日後、確かに自分が飼っていたという人物が現れたのである。その連絡を受けた時、邦子は――
 《私は受話器を握ったまま、こみ上げてくる笑いを押さえ切れず、裂けた夕刊に顔を押しつけ声を立てて笑ってしまった。悲しくもないのに涙がにじんでくる。はなも出てくる。》(「新宿のライオン」)
 ライオンを目撃した場所は、中央線、中野駅から高円寺寄りの下り電車の右側。そこは、まさにNが住んでいた町の方向にあたる。邦子は中央線、高円寺付近を通過する時、無意識にNの家をさがしていた。その時、視野にライオンが飛び込んできたのだ。
誰の目にも映らないライオンはNと重なる。不自由な右手を使って自炊するNの姿が邦子には見えていた。
だから20年後ライオン実在の連絡を受けたとき、「悲しくもない」のに邦子の目に涙がにじんだのである。
  
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# by yamato-y | 2005-02-22 09:15 | シリーズ作品回顧 | Comments(1)

冬のソナタの秘密2



ユンズカラー

映像は光を使って絵を描くことだと、ユン・ソクホ監督は考えている。
 元々画家を志したこともあってユンさんは絵を描くことも見ることも好きだった。美しいものに対しては敏感だ。あまり知られていないが、ユン作品で使用される絵画はすべて監督の好みで指示されている。「秋の童話」では主人公が画家という役柄もあってずいぶん絵が登場した。半抽象の色彩鮮やかな作品をよく使っている。しかもそれは場面との色合いの調和をしっかり計算しているのだ。色にこだわることは社名にも表れている。昨年、個人プロダクションとしてユンさんは会社を設立した。その名はユンズカラー。
 韓国四季四部作。「冬のソナタ」は白、「秋の童話」では黄金に輝く褐色「夏の香り」は緑を基調に画面を作ってきた。さて次回作「春」は何色をもってくるのか。日本の春であれば桜に代表されるピンクだが、はたして韓国ではいかが。

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# by yamato-y | 2005-02-20 22:25 | 冬のソナタの秘密 | Comments(0)

ミステリーもメロドラマ

〈検屍官シリーズ〉スカーペッタ

 実は、ミステリーやホラーが大好き。松本清張や水上勉は若い頃没頭した。その後江戸川乱歩賞は出来るだけ逃さず読んだ。『暗黒告知』や初期の井沢元彦なんかは好きだ。でも外国ものは文体が馴染めなくてなかなか読まなかった。昨年の暮れ、職場の同僚がこれおもしろいよと貸してくれたのが『コーノトリ殺人事件』。それから『報復』など赤毛物にいっきにはしった。
 物語の設定はうだつの上がらない探偵や弁護士というのが好きだ。権力をもっている奴にいやというほど最初いじめられるのだが、最後で逆転というパターンがお気に入り。これって昔はまったプロレスのスタイルだ。余談だが、研修の講師などで行くと、私は番組の作り方をプロレス団体の分類で示したりするほどプロレスが好きだった。でも1昨年オーエンハートの暴露ドキュメンタリーを見て一気に熱がさめた。格闘技も最初はよかったが、最近のプライドなんかはリアリティが薄い。以前ほど力が入らない。
 閑話休題、外国ものにはまって読みすすむうちに、パトリシア・コーンウェルの〈検屍官シリーズ〉に出会い、これに心を奪われた。このはまり方は昨年の「冬のソナタ」に似ている。1作読むと次にいきたくなるのだ。読み終えるうちは、他の本が読めない。たいてい私は2,3冊並行して読書するのだが、このシリーズだけはそういうわけにはいかないのだ。このシリーズは1990年代全米で最大のミステリーになったというがたしかにその面白さが無類だ。
 作者のパトリシア・コーンウェルは実際に検屍官を体験しているので、医学知識、警察組織の詳細が半端でない。死体からのプロファイリングは今までなかった手法で読ませてくれる。犯罪もカルト教団や殺人狂など中途半端ではない凶暴で犯人も悪辣だ。物語は起伏があってぐいぐい引っ張る。
 でも一番のお気に入りは登場人物の人間関係だ。検屍官スカーペッタはイタリア系の美しいエリート女性。FBI捜査官の恋人がいる。不倫の関係だ。現場のさえない警部マリーノも横にいて、スカーペッタに邪険にしながら意識している。女子のエリートということで男社会のいろいろな意地悪にあう。それをぶち破って行くときの爽快感が最高。もう独り重要な人物がいる。姪のルーシーだ。天才だが母性に恵まれずスカーペッタを母のように慕う。最初少女だった姪はシリーズがすすむにつれ、美しい若い女になっていく。でも彼女は男に興味をもたない。女の恋人がいる。これらのレギュラー人物が、さまざまな事件に遭遇し解決していくのだ。
 この人間関係の面白さは、藤沢周平の『用心棒日月抄』に似ている。
 スカーペッタとマリーノのやりとりなど、翻訳ものとは思えないほど、洒脱でいい。翻訳の相原真理子は相当の人だと、私は思う。
 これは、デミ・ムーアの主演で映画化もされたというが、評判をとっていない。多分シナリオ化するのが難しいのだろうが、うまい映像で見てみたいものだ。せめてジェシカ・ラングの「ミュージックボックス」程度のあがりで見ることができないかなあ。ハリウッドの監督でユン・ソクホぐらいの感覚をもった人がでてこないかなあと夢想する。
 ちなみに戦後評判をとったフランス映画のジャンル、フィルムノワール(犯罪映画)もメロドラマの一種として欧米では見られる。メロドラマというコンセプトはなかなか広いのだ。

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# by yamato-y | 2005-02-20 17:58 | Comments(1)


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