定年再出発  


懐かしい空
by yamato-y
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カテゴリ:2004年度ドキュメンタリーの現場( 8 )

二人の音楽家

二人の音楽家

審査するために、現在50本のドキュメンタリーを順に試写している。その中にクラシックの音楽家の作品が2本あった。
1本はヴァイオリニストの五嶋龍、もう一つは小沢征爾である。二人とも世界的に知られた音楽家だ。

人間的な魅力はたしかに二人とも凄い。画面を通してでもその人格のオーラが滲み出てくるようだ。

だが才能のある人を対象にした番組というのは、往々にしてその才能の所以が飛ばされてしまう。天才の天才たるところは当人にとって意識の外にあるのだろう。だから、そこを掘り下げたり説明したりはしない。むろん、作品中でそういうことをあからさまに当人がしたら、相当嫌味で観客は引くにちがいない。

だからこそ制作者、つまり取材する人間がそこをしっかり見つめ炙り出す手法をもたないといけないのだ。ところが、この2本はそれができていない。これらの才能ある人と親しく交流しているというだけの関係になっている。

早い話、お仕事しながら美味しい取材をしているというオキラク感を払拭するのは、相当難しいと思った。

小沢の番組で驚いたことがある。中国の若手の演奏家を寄せ集めてオーケストラにするという企画を小沢が立てたときだ。わずかな練習で本番を迎えるというストーリーの流れがある。
最初の練習を終えたあと、団員が去った席の一つ一つを指しながら、ここのヴァイオリンたちは音色がずれていると小沢が一人ひとり指摘していく。一人ひとり演奏させたわけでないのに、40人ほどの全体練習の中で、一つ一つの楽器の音色を小沢は聞き分けているのだ。凄いと思った。
音楽の世界では当然のことなのかな。私のような素人から見ると途轍もないことに思えるのだが。

五嶋龍の録音の場面、超絶のテクニックでエネルギッシュに弾きあげる。若いといっても一回演奏するだけで相当疲労するだろうと思われる。録音をするディレクターやミキサーのほうはOKを出しているが。龍はいまひとつ納得がいかないと2度3度とトライする。そのこだわりを実行するときの彼の爽やかさに驚いた。無敵の天衣無縫ぶりだ。

これは小沢にもあった。


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by yamato-y | 2006-07-08 20:48 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(0)

今年も始まった審査

ATP賞の審査

今年もATP賞の審査が始まった。いつもより半年スケジュールが繰り延べされた。本賞の決定はこれまでの秋始めから10月半ばとなった。
私は昨年に引き続いて審査員を「拝命」した。
委員会のメンバーは3分の1が変わったが、残余は昨年と同じ人たちで、私も気がらくだ。今年は自分自身の本来業務との調整が相当きついことが予想され知人でないと無理なお願いができないと案じていたが、私が担当するドキュメンタリー部門には心強いメンバーがいた。テムジンのYさんが昨年に続いて入ってくれたのだ。

昨年の審査はドキュメンタリー作品を40本ほど全部見ることとなった。今年はそれよりも10本多い50本。さらに8月~9月に放送された作品も追加で審査するという。1本平均60分としても、3000分つまり50時間のドキュメンタリーを見る義務が審査員に課されていたのだ。

冗談じゃない。この試写を7月24日まで済ませておけというのだ。普段の仕事をしながら応募作品を全部見るとしたらいつどこで見ることになるのか、場所と時間を確保しておかねばならない。おまけに、私は8月5日、7日、12日に放送する番組をかかえている。この番組の仕上げがいっせいに7月下旬に動き始めるのだ。時間のやりくりが付かない。もはや顔色真っ青の状態が予想される。

とりあえず、7月25日から30日かけて、黒木和雄のドキュメンタリーのナレーション入れ、広島平和公園のドキュメンタリーのナレーション入れが目白押しで待機しているが、その直前の24日にドキュメンタリー部会の第1回審査がある。それをまずやりこなすことから始めよう。

泣き言を言うわけにはいかない。とにかく、精密なスケジュール表を作って遺漏なく、ひとつづつこなしていくことにしよう。

本日はメンバーの初顔合わせで、16時から初めて18時となった。これはまだいいほうだ。さしあたって、ドキュメンタリー部会の次回予定は7月24日と決まった。この日は長い長い一日となるだろう。悪いことばかりじゃないのは、普段佳作と出会う機会がなかなかないが、こういう場に行くと思わぬ秀作に出会って、世の中広いなあと思うことがあるのだ。本年もそういう作品とのめぐり合いを大いに期待する。

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by yamato-y | 2006-07-04 22:17 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(0)

テレビ番組グランプリ決定

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 ATP賞受賞式       

 昨日、6月3日、六本木ハリウッドホールで行われたATP賞受賞式に出席した。
ATPとは、全日本テレビ番組製作社連盟。番組制作プロダクションの組織で、そこが選ぶ作品というのは、現役の作り手が選ぶものだ。日本の賞では唯一といえる。
3月から断続的に審査会が開かれて、100本以上の作品を審議してきた。プロ同士だけに議論は高度で白熱した。私にとって初めての審査員体験はきわめて興味深いものであった。
ここで、心に残った作品のいくつかは、このブログの「シリーズ・2004年度ドキュメンタリーの現場」に書いておいた。すべて審査結果が出るまで未公開にしておいたが、今日から解禁しようと思う。よかったら、読んでみてください。
 さて、延べ30時間以上の審議の末、三本の最優秀作まで選んでいた。
そして、昨日の本会場でグランプリが選出されたのだ。2004年度のグランプリは
にんげんドキュメント「母ちゃんは好敵手 ~棋士藤沢秀行と妻モト」に決定。
棋士、藤沢秀行79歳。無類の強さを誇った天才碁打ちだ。破天荒な人生を送る人物で
酒、ギャンブル、女にのめりこんで借金地獄をさまよい、あげく三度の癌を克服してきている。陰に、糟糠の妻、モトがいた。その二人の超俗の夫婦関係を描いている。

この作品は、同僚が関係しているのでいささか遠慮をして私は評価していたが、すぐれた取材には真底感心していた。私は、審査講評で次のように書いた。
「ヒューマンドキュメンタリーとして秀逸だった。常々、番組は1ヒト、2ウゴキ、3ジダイと言っているが、つくづくヒトの魅力がまず大切と再確認した。取材対象は達人であるだけに、取材者の距離の取り方は難しい。間違えれば『共犯関係』になりかねない。そこを、制作者は絶妙のスタンスをとっている。お見事。」

会場にはNHKの橋本会長やフジの日枝会長の顔もあった。このところ、ブラウン管でよく見かけるので、野次馬根性でながめて面白かった。ドラマの最優秀賞が「黒革の手帖」だったので、主演の米倉涼子が現れるかと期待したが来なかった。8時前、会場を出ると
糠雨が降っていた。
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これらは優秀賞に選ばれた作品のいくつかだ

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by yamato-y | 2005-06-04 13:35 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(0)

ドキュメンタリーの現場から



「天山蜜に挑む~蜂客6000キロの旅」
 (2004年9月23日放送)

 蜂蜜の生産量では中国は世界一だ。外貨獲得に一役かっている。この蜂蜜産業を支えるのは蜂客(ほうか)と呼ばれる人々だ。中国の秘境天山山脈。ここの花畑で採れる蜂蜜の品質は世界でも一品だと言われる。
蜂客たちは巣箱と家財をかかえ天山を目指して何千キロも旅をする。ひと山あてれば巨富を手に入れることができるからだ。
 物語の主人公祝さん父子。二人は百の巣箱とテントをもって6000キロの旅に出る。途中、列車の遅延、トラックの不手際、追い立て、置き去りなど苦難を乗り越えて、天山の現地にたどり着く。ここまでで番組は70分経過している。それなりに面白いが、見るほうとしては天山蜜とはどんなもので、どのような地形で採られるのか、蜂と蜜に関心をもつのだが、番組は父子の旅中心で展開する。不満に思って副題を見ると、蜂客6000キロの旅とある。たしかに看板に偽りはない。
 旅は貧相で人のいい父小林と高校を中退したやんちゃな息子良剣の弥次喜多道中。これはこれでなかなかいい。苦労をこえて旅先から母にあてて息子は手紙を書く場面。息子のいい表情に好感をもつ。制作者のまなざしは優しい。
物語の「本題」は天山の現地に到着してから動き出す。蜂の種類によって蜜の稼ぎ方が違ったり、花に薬草が混じった蜜は味がひときわ違ったりして、内部の者にしか知らない深い話となっていく。
 ところが残念なことに映像では味の違いが分からない。普通の蜜とは違う天山蜜。それはかすかに薬草の味と香りを秘め、高い糖度で後を引く味だという。蜜の豊かさは緑がかった黄金色の映像で分かったが、その味、風味が分からない。観客としては感動を得にくい。この「味」を映像化できれば相当面白い番組になったと思うが、ある限界に止まっている。無理難題かもしれないが、映像制作者というのはあらゆるものの映像化を考える存在でなければならない。
 結末は祝さん父子にとって厳しいものとなった。天山行きは失敗となり巣箱すべてを売り払うことになるのだ。この苦い状況をカメラはじっと見つめている。その腰の据わり方には敬意を表したい。
 ハイビジョンの番組だから110分でも長くはないということかもしれないが、観客の立場から言えば45分サイズしてくれたら、もっと楽しめるのになあと思った。
 カメラはいい。飽きさせない画の組み立てもよかった。ナレーターに浪曲師国本武春を起用したのは分かるが、意外なぐらい普通の読み方であった。
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天山への道

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by yamato-y | 2005-03-14 17:50 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(1)

ドキュメンタリーの現場から

「ガイアの夜明け・コンビニ戦国時代~王者セブンイレブン戦略の全ぼう」
 (2005年2月8日放送)

 1974年に日本に現われたコンビニエンスストア。わずか30年で7兆円の市場に成長した。
そのトップのセブンイレブン。売上2兆3431億円に達する。右肩あがりで推移してきたコンビニ市場もここへ来て急速に変わりつつある。全国に4万店となり店舗の飽和感が出てきたのだ。王者セブンイレブンも安泰ではない。
 この局面をいかに打開しようとするか、セブンイレブン、そのライバルたちの動きもとりこんで現状をリポートしている。物語のオープニングを8分かけてじっくり描いている。長く感じられないほど映像が生きている。この初期における動機つけが成功しているので、話が素人でも見えやすい。セブンイレブンという巨大組織を、社長から地域の店舗相談員、オーナーまで人間を追って表現していて、それはそれでかなり成功している。ビデオリポートだけで表現せず、キャスターの役所広司がチャプターの冒頭に現われて問題提起する手法も使っているなど、演出が効いている。
 全体に見やすく軽快な構成で好感をもつが、これはいったい誰に見せようと制作者は考えたのだろうかということが気になる。かなり業界的な事象を取り上げているが、一般に見せるならそこまで詳しくなくてもいいだろう。コンビニの関係者が見るのなら業界ではそれほど新しい話ではないと思われる。 筆者のように部外の者には初めて聞く話(天気とコンビニの関係など)はめっぽう面白いが茶の間の観客はそこまで見ないだろう。
このガイアの夜明けという枠は日経新聞の読者を意識した観客限定だから、私の懸念は無用かもしれない。だが、およそ1時間も占拠するなら、もう少し物語を事象中心でなく人間、しかも単数の人間に絞って描けば「大衆性」も得られるのではと、余計な老婆心をもつ。
一つ感心したことがある。セブンイレブンとライバル関係にあるサークルKの担当者をしっかり取材し、彼があえて「妨害」という言葉を口にするシーンである。よく本音を拾った者だと思う。そして、それを放送したことに担当者の厳しい決意を、垣間見る。これを放送するにあたって制作者は大いに悩んだだろうと同情するとともに、よく決断したと称えたい。
部外者が見れば、これくらいのことと思うかもしれないが、表現するほうは放送に出ることの怖さを十分知っているから、適当になどという判断は決してしない。そういう制作者を私は評価したい。あまりに「お笑い番組」などで安易に表現されているから、余計そう思う。
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by yamato-y | 2005-03-11 11:45 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(3)

ドキュメンタリーの現場から

 
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「激動のプロ野球総決算~クビを宣告された男達」
(TBS 2004年12月12日放送)

2004年は球団合併、新球団設立などプロ野球にとって激動の年だった。この激動の球界再編で戦力外通告つまりリストラされた男4人がこの番組の主人公である。オリックスの川口知哉、巨人の川本大輔、野村克則、福井敬治。全員若い。最年長の野村ですらまだ31歳だ。最年少の川本は18歳で入団して一度も一軍に昇格することなく22歳でクビを言い渡されていた。かつては期待の星だったのだが。
 瀬戸際に立たされた男達は、現役続行の望みをかけてトライアウト(合同入団テスト)に挑む。番組はその1次テストから2次テストまでのウゴキを軸に構成される。
1次で野村と福井が合格し残留のメドがたつ。川本と川口の若い二人が追い込まれる。川口はかつて甲子園で準優勝した経験をもつ投手。昨年結婚したばかりで来春には子どもが生まれる。生まれてくる子のためにもなんとか職を確保しなくてはならない。川本にも守らなくてならない家族がいる。妻と10ヶ月の長男だ。責任がズシリと肩にかかってくる。プロ野球の中で活躍できる選手は2割に過ぎない。多くは川口や川本のように若くして人生の岐路に立たされるのだ。その厳しい状況を描くというねらいは一応成功している。
番組の展開のテンポは早い。始まってから1次テストまで17分しかかかっていない。その尺(長さ)で4人の選手の背景を紹介し事態の流れを説明できるとは、なかなかの構成力だ。
とはいっても、素材が多い。多すぎて選手一人一人の葛藤が薄味なのだ。津田投手の番組を作った私の経験から見ても、プロ野球のネタはどうしても素材がオーバーになりがちだ。まず試合そのものや練習、ベンチの映像がある。球団関係者、チームメイト、家族、ファン、と追っていくととてつもなく広がるのだ。通常の番組素材の3倍以上になる。この番組の場合、1次テスト、2次テストとヤマになるイベントが2つもあり、主役が4人。これでは素材過多は免れない。出演交渉して途中で辞めるというのは難しいものだから制作の苦労が偲ばれる。
作者の選手へのまなざしは暖かく「読後感」はきわめてよかったことを、最後に言い添えておく。

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by yamato-y | 2005-03-10 14:49 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(0)

ドキュメンタリーの現場から

「傷だらけの育て直し/家族修業」 フジテレビ 2005年1月18日放送

非行をおかした少年たちを引き取り、自宅で面倒をみている男、伊藤幸弘51歳。元暴走族の総長、強面だ。彼は問題を抱えた少年たちを引き取り、彼自身と実の娘2人と共に一つ屋根の下で暮らしている。ここで取り上げられているのは前回取り上げた「夜回り先生」と違って少年たちだ。 
 家庭内暴力、盗み、情緒不安定など少年たちはさまざまなトラブルをかかえている。
少年A、19歳。彼は暴力で母を傷つけた経歴をもっている。3年間伊藤の家に寄宿するなかで向学の志が現われ次第に立ち直っていった。そして母に会いに行く事になる。3年間のブランクを越えて二人は和解する。その側に伊藤はそっと立ち会い心を配っている。見かけによらず、伊藤は繊細でやさしい。
もう一人の少年B、17歳。彼は家に来てまもない。伊藤父娘は彼の素行に振り回される。幾度も改心を誓いながら裏切る少年B。彼の懲りない行動に見る側はやりきれなさをもつが、リアリティを感じもする。
 一方、話が出来すぎているという部分が気になる。少年Aが母と再会するシーンだ。ホテルの一室で、母と叔母、少年と伊藤の4人が集まる。ナレーションで「二人を残し伊藤とおばさんは部屋から出て行った」と語られる。母とAだけになる。カメラはそのまま撮影を続けている。息子は沈黙を破って口を開く。「自分が悪い事をしたって、すごく思っていて、結局今まで謝れなかった・・・」と告白する。母の目に涙。大事な場面だ。それは分かるがなぜカメラという他者の前で、こんな重大な話ができるのか。信頼されている伊藤ですら外へ出ているのに、カメラがきちんと撮影していることに違和感をもってしまう。
 ――部分的に制作のスタンスに首をかしげることが見られる。だからといって、このドキュメンタリーの訴えるメッセージ、主人公の伊藤幸弘の魅力、などが弱まるわけではない。
とりわけ、伊藤の二人の娘のけなげさは心に残った。
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「傷だらけの育て直し」から
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by yamato-y | 2005-03-09 13:36 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(0)

ドキュメンタリーの現場から


「完全実録!夜回り先生」(TBS 2005年1月25日放送)

水谷修、定時制高校の教師。13年にわたり毎夜繁華街を夜回りし、子どもたちを薬物か
ら守ろうとしてきた。その姿を描くドキュメンタリーだ。同じ素材を教育テレビで見たが、それは水谷先生の講演が中心に構成されていて、この番組とやや趣が違う。これは、水谷先生に密着し二人の少女とのかかわりを中心に薬物被害の実態をカメラで切り取っている。
 一人の少女Aは受験に失敗したことを契機に転落したという。睡眠薬や風邪薬を大量に摂取するオーバードーズとリストカットを繰り返している。19歳の彼女を水谷先生は12歳と見ている。心がまだ育っていないのだ。彼女の危うさ幼さをカメラはきちんと見つめる。
夜の公園でAにインタビューするシーンがある。滑り台にのぼったりブランコをこいだりしてはしゃぐA。そのAがおばあちゃんに会いたいと話しだす。彼女にとって唯一の見方だったのだ。そして夜空に向かって大声で「おばあちゃん」と叫ぶ。19歳とは思えないほど幼く無防備だ。映像は生身の叫びを越えていわば魂の叫びを表している。圧巻だ。取材者と取材される人との間に「関係」が出来ているからこそ、こういう取材ができるのだ。
 番組では水谷先生がガンに侵されているにもかかわらず、子どものために奔走する理由を明らかにしている。13年前に薬物の本当の怖さを知らないまま見殺しにした少年Cの存在。その最後が彼の心に焼き付いているというのだ。その理由で一応納得できるものの、その事実だけでここまで献身的に見ず知らずの子どもたちにつくすことができるのだろうか。常人の想像を越えた、執念を燃やす水谷先生の本当の理由が、私にはまだ見えてこない。腑には落ちないが、毎夜夜回りし夜通し500通のメールに応答する水谷先生の真摯な姿は無責任な批判を許さない。
 番組の構成は後半やや崩れる。薬物被害の衝撃的事実にひきずられ、《水谷先生の物語》としての起伏が弱いのだ。彼の持病についての言及は少なく彼の人生の現実が見えにくい。彼が教師を辞めるシーンが一つのポイントのはずだが、詳しい事情が語られないまま、終章に漠然と配置されているだけだ。
 学校を去っても依然夜回りを続ける姿でエピローグとなるのは、辞める理由に説得力がないので肩透かしの感が否めない。むろん、心を病む子どもたちの問題に終わりなどなく安易な決着を望むほうが問題多いが、もっと水谷先生の人柄に添って展開すれば、深い読後感を得られたかなと惜しまれる。
だが、力作であることには異論がない。

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by yamato-y | 2005-03-08 14:03 | 2004年度ドキュメンタリーの現場 | Comments(0)


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