定年再出発  


懐かしい空
by yamato-y
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カテゴリ:テレビって何だろう( 33 )

応答せず

応答せず

たしか、花田清輝のエッセーに「ノーチラス号応答せず」というのがあったと記憶する。
有名な吉本隆明との論争で、書かれたものであったはずだが、内容より、そのタイトルの格好よさが心に残った。

 3・11以来、震災、津波、原発ということが国民的課題のように、メディアで語られているが、忘れてはならないのが沖縄普天間の問題だ。米軍「占領」という不自然な情況が60年にわたって続いてきて、さまざまな苦難と不利益を押し付けられてきた沖縄が、新たな道を歩くための第一歩にもなる普天間。先の宜野湾市の市長選挙でも、住民の意思は基地を固定化させたくないというものだ。前の政治権力の置き土産だと民主党もシラをきり、先延ばし出来ないところまで来た。これ以上、沖縄に本土の矛盾を押し付けるわけにはいかない。
 総合誌「世界」は1月号から沖縄のことを丹念に追っている。なかに、元上司だった人物の論文が掲載されている。元NHK沖縄局長、NHKエンタープライズの取締役だった、座間味朝雄さんの遺稿となった「情報の絆―米軍の情報分断政策と戦った沖縄」。座間味さんは昨年11月に他界した。

 この論文が3回にわたり掲載され、今月で座間味担当分は終了した。これは沖縄がアメリカ統治下にあった1959年、日本と沖縄を結ぶマイクロ回線を設置しようとしたことに対して、アメリカ側から再三にわたって嫌がらせを蒙り、なかなか全回線を接続できなかった問題を取り上げている。これまで知られなかった沖縄「独立」の戦いを、座間味さんは丹念に追って、歴史の光をあてた。
だが、後半になると、病が体を蝕み、この事件の原因、理由の解明にまで至ることがかなわない。死が目前に迫っていたのだ。出来ないことが「無念である」という言葉で、この論文は終わっている。
 読了して、感銘した。あの温厚で篤実な座間味さんのなかに、これほど父祖の地に対する熱い思い、正義への希求があったことを知って感動した。

ところが意外だったのが、職場の反応だ。これほどの力作に、誰も関心をもっていない。ほとんどのディレクターは論文を読んでもいないらしい。これでは応答などできやしない。
「無念である」という座間味さんの遺言は、歴史の闇に消えた事実の解明を、後生は続けてほしいという呼びかけであったはずだ。
 これに応答したのは、私が知るかぎり、先年NHKを退職して武蔵大学の教員になった永田さんしかいない。

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by yamato-y | 2012-02-21 12:27 | テレビって何だろう | Comments(0)

今年見た番組で一番うまい番組

今年見た番組で一番うまい番組

11時過ぎ、なにげなくチャンネルを総合にしたら、私の好きなボクサーの畑山隆則がしゃべっていたので見始めた。おそらく始まって3分ぐらいのところだろう。現役と退役の3人のボクシングのチャンピオンたちのトーク番組だ。ヤフーのテレビ欄で調べると、新しいスタイルのトーク番組「ディープピープル」とある。どうやら再放送のようだ。
別の場面で、解説に関根勤と女子アナがボクシング中継をするかのごとくトークをして、本舞台のドークに注と感想を放り込むという、ちょっと凝った演出をしている。他に見るものがないから一応見るにしても、切りのいいところで読書にでも移ろうと考えていたが、そうはならずにテレビの前から離れられなくなった。めっぽう面白いのだ。

番組の宣伝を見ると、同じジャンルを極めた3人のカリスマたちが、評論家やアマチュアには語れない「本物のディープな世界」を語りあう、とある。3人のカリスマとは、現役世界チャンピオンの長谷川穂積と元世界チャンピオンの畑山隆則と浜田剛史。元チャンピオンは私の好きなボクサーたちだが、現役の長谷川のことについては何も知らない。だが、話を聞いていると素朴な話し方だが、中身はすごい。相手の呼吸を読んで、相手が息を吸ってる時にパンチを入れるとよく当たる、なんてことをさりげなく言う。ビッグマウスの畑山ですら、「さすが、8回も防衛しているチャンピオンは違うよな」と脱帽するほどだ。でも、先輩二人を前にしてデカイことを言うつもりはなく、自分の場合はそうだが先輩たちはいかがですかと、謙虚に先輩を立てる。だんだん、私は長谷川穂積に好感をもつようになっていく。

他の二人もめっぽういい。型破りな喧嘩ファイトで2階級制覇を果たした畑山と15連続KOの日本記録を持つ、ハードパンチャー浜田剛史。畑山のライバル坂本との闘いは今も目に焼き付いている。
豪腕伝説の浜田は本当にハードなパンチをもっていた。一振りで相手をマットに沈めるところは忘れられない。この栄光の実績をもつ二人であるが、やはり現役にきちんとリスペクトを与えているところが、実におくゆかしい感じを与えるのであった。

という番組の内容もいいのだが、私は、この番組の作りのうまさにうなった。当事者3人のトークで終わらず、見巧者で大のボクシングファン関根勤ととっぽい局アナを、別の画面で介入させる手法は実に手際よく処理されている。話の構成も長過ぎず短すぎず、腹持ちのするトークとなっている。資料映像の扱いにしても、実際のボクシング試合の映像をべたべた貼るのでなく、必要な部分にだけ、丁寧にインサートしている。編集は緻密でありながらちまちましていない点に感心した。

あまりに面白い番組なので、誰が作っているのだろうと、エンディングタイトルでスタッフの名前を確認することにした。最後に制作統括の名前で、オー君が出て来て、私はのけぞった。新人のとき、私のチームにいた人物だ。昔から、彼の仕事を見てきたが、これほどうまい番組を作りあげるとは思っていなかった。いい番組は作るが、うまいということとは遠いと思っていたのだが、今夜の番組の作りのうまさ、スマートさ、読みやすさ、すべて言うことなし。

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by yamato-y | 2009-07-05 01:50 | テレビって何だろう | Comments(0)

知的障害をもっていたとしても

知的障害をもっていたとしても

今夜のテレビ、福祉ネットワーク「発達障害 歌で伝えるメッセージ」を見た。発達障害のある子どものパパ、 シンガーソングライターのうすいまさとさんの取り組みを描いた番組だ。福祉番組だ。私の古巣だ。今から20年ほど前にこの番組の前身である「明日の福祉」という番組を私は制作していた。そこにヤマグチさんという大先輩がいた。福祉番組一筋でやってきた人だ。私なんかと違って、穏やかで粘り強い人で私は尊敬していた。この人は私の隣町二宮に住んでいて以前はときどき会ったが、退職されてからはそれもなくなった。70歳近いはずだ。元気でいてほしい。

今夜の番組に話を戻す。主人公うすいさんの息子は自閉症だ。一つのことに深い執着を示す性質をもっている。初めてそういう状況に遭遇したりすると。たいていの人はぎょっとすることもあるのかもしれない。そういう偏見を少しでもなくしたいとうすいさんは脳の障害のことを歌にして、歌っている。「発達障害って何?」「本人はどんな気持ちなの?」「周りにできることは?」歌を通してうすいさんが伝えようとしている。

私がディレクターをやっていた頃と違って、近年の福祉番組が格好いいのだ。構成の仕方がスマートだ。つい、最後まで見てしまった。カタチは軽いが内容はつまっている。作り手の思い、優しさがひしひしと伝わってきた。派手ではないが、こういう番組を作り続ける人たちがあるかぎりテレビドキュメンタリーの寿命は続くはずだ。

語りは河野多紀 さんだった。私はこの人の語りが好きだ。かつて、葉祥明さんのイタリアの旅番組を作ったとき、お願いしたことがある。落ち着いた読みは、聞いていて安心だ。

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by yamato-y | 2009-05-14 20:58 | テレビって何だろう | Comments(0)

正解は90秒後に

正解は90秒後に

最近のテレビを見ているとイライラすることが多い。あまりそんなことばかりすると見てやらないぞと言いたくなる。(自分の立場をあえて忘れて)

と思っていたら、今週の週刊文春で「テレビを叱る」という特集をやっている。批判しているのは、横澤彪さん、山田太一さん、梨元勝さん、二宮清純さん、南美希子さんとみんなテレビをよく知っている人ばかりだ。

南さんの発言だけちょっと違和を感じたが(コーマンがある)、後の4人の意見はもっともだと思う。見出しですぐ理解できると思うので書き出してみる。
横澤彪・・一発芸人使いまわしでお笑い番組が金太郎飴に
山田太一・・原作は漫画ばかり 「連ドラ」脚本家が育たない
梨元勝・・「ワイドショー」新聞棒読みをやめろ!
二宮清純・・スポーツ中継からジャリタレを消せ!

二宮が書いている。「人間ドラマをクローズアップする手法は、最近のスポーツ中継に共通の傾向でもあります。親子愛、ケガからの復活劇、ライバルとの確執・・・選手たちの人生は3分程度の安手の『ミニドラマ』に加工され、試合中もおかまいなく流される。私に言わせれば視聴者への感動の押し売りですね。」
こんなことになるのはスポーツの現場に対するリスペクトがないこと、スポーツに対する知識がないことだと二宮は憤る。まったくそうだろう。これはスポーツだけではない。安手のミニドラマは至るところにある。

山田の見出しは誤解されないように書くと、彼は漫画が駄目だとは言っていない。漫画とテレビのメディアの差という認識がないまま、安易にテレビドラマ化に走ることを戒めている。

横沢はキャスティング優先の現場を叱っている。「テレビマンたちは、そういう旬の芸人をまっさきに押さえに走る。売れっ子をブッキングした時点で、ほぼ仕事は終わったのも同然で、企画は二の次、三の次。」おまけに他局でヒットした手法をぱくればいいと考えているのがミエミエだという。そして、横沢は鋭い指摘をする。
「『正解は90秒後に』といってCMを入れるやりくちにも(視聴者は)嫌気がさしている」そして、テレビ離れは静かに静かに、しかしとても深いところで浸透していると、警鐘を鳴らすのだ。


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by yamato-y | 2007-11-22 11:59 | テレビって何だろう | Comments(0)

取材源秘匿

取材源秘匿

奈良で起きた医師宅放火殺人事件で、容疑者の少年の鑑定をした医師が供述調書を漏らしたとして逮捕された。

この調書を引用した単行本が先ごろ出版され、そこに情報を提供したという疑いだ。単行本の著者は情報を入手した経路を明らかにしていないが、傍目から見ればその医師から出たとしか思えない状況だ。著者のフリージャーナリストは「取材源は命をさしだしても言えません」と言っているそうだが、その取材源が逮捕された以上、その言はあまりに空しい。

この話はどこから得たのかというニュースソース(取材源)の問題は、表現者にとっていつも大きな課題となる。楽しい話や嬉しい話であればともかく、嫌な話や権力犯罪などを取り扱うときは、取材者、被取材者、周辺関係者、の距離のとり方は難しいものだ。

新聞報道によれば、単行本「僕はパパを殺すことに決めた」は本の装丁といい調書の取り扱いといい、センセーショナルに扱われていて、取材源を消したり隠したりする配慮がきわめて薄いとある。このフリージャーナリストは少年事件の再発を少しでもなくそうと思って立ち上がったという動機だというが本当だろうか。きれいごとでなく、本当は目立ちたかったのじゃないか。その結果、取材させてもらった方を逮捕に追い込んだとすれば、それは没義道ってことじゃない。

 第3者としての意見をかっこうよく言うつもりではない。自分がその立場だったらどうするだろうと、この新聞記事を見て考えているのだ。実は、取材をしていて、この事実を世に知らせたら反響があるだろうなあと野心がむらむら起こることはよくあるのだ。
ただし、その情報源が明らかになるとすれば迷惑がかかる、ということで別の情報源を探してウラをとりつつ取材源を秘匿するという高度な戦術が必要とされる。それは手間も暇もかかることなのだ。

取材源秘匿のもっとも有名なエピソードは、ディープスロートだ。あのウォーターゲート事件のときの大統領の陰謀をワシントンポストの記者にリークした人物だ。最近、そのポストの記者はディープスロートの娘からの要請で、その当人を明らかにしたが、元来、その秘匿は地獄までもってゆくつもりだったのだ。少なくとも記者は30年にわたって、取材源を秘匿したのだ。

この秘匿ということはもう一つの危険も生む。つまり、架空の取材源ということも起こりうるのだ。ありもしないことをあるかのようにして取材源について口をつむぐ、という「ヤラセ」起こりうるのだ。その疑いをもたれないために、日日の取材が真実であることを示しておかねばならないのだ。

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by yamato-y | 2007-10-16 16:13 | テレビって何だろう | Comments(0)

記録すること

記録すること

ドキュメンタリーという言葉の元にあるのは、裁判所の調書、ドキュメントを指すということらしい。記録されたものという意味だ。

記録というと文字で残されたという意味が強いのはその成り立ちにあるのだ。
だが、現代では記録する、あるいは記録したという事柄は文字だけではない。録音テープにしろビデオテープにしろ、DVDにしろ、パソコンのメモリーにしろ、すべて記録という機能があって音や映像が残されるのだ。これらの電子機器の使用する形態を、記録されたものという表現を使うとき、なんとなく違和を感じるのは私だけだろうか。

記録するにあたる英語はレコードだ。いわゆる音盤のレコードは元来音声を記録したものだったから、英語圏ではビデオで収録すること、つまり録画をレコードと称することに抵抗はないのだろうか。

今、取材中の番組では一本の音声テープが重要な役割を果たすことになる。なんといってもSF作家クラブが誕生した瞬間を“記録”しているのだ。1963年の出来事だ。

番組の企画を立てるとき、過去の出来事を記録したものを発見することがなにより大きな力となる。かつては書物や書き物、石碑であったが、昭和30年代以降であればなんらかのカタチで音声や映像が残されていることが多くなった。それを探すことは、番組制作者の大きな仕事だ。

1994年に広島カープの津田恒美投手の人生を描いたことがある。炎のストッパーと言われた津田が脳腫瘍で倒れ、再起をめざすドキュメントだ。この番組の取材中に担当ディレクターは津田が病から立ち上がってリハビリに励む映像を見つけてきた。プロ野球選手として活躍する津田の映像はふんだんにあったが、闘病の姿はむろん誰も見ていなかった。どうやら、これは妻の晃代さんが民生用カメラで撮影したものらしい。画質はあまりよくないが、事実のもつ重み凄みがあった。

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by yamato-y | 2007-08-09 09:13 | テレビって何だろう | Comments(0)

ブリティッシュ・ミステリー

埋もれた名作

グラナダTVが2003年に制作したミステリー「第一容疑者」を見た。ロンドン警視庁の女警部の物語だ。先月に2夜連続で放送された「姿なき犯人」。イギリスに入って来ている移民がからむ殺人事件が主題となっている。

ロンドンの下町の貧しいアパート街に住む姉妹が殺された。ボスニアからやってきたムスリムの女性らしい。容疑者として追われるのがセルビア人の若い男だ。彼は祖国にいた頃民兵組織にいた。ところが女警部の調べが進むと、本当の犯人はその男の通訳で来ているセルビア人らしいのだ。本職は眼鏡屋ということだが経歴を追って行くと、他人の経歴を詐称しているらしいのだ。

物語はロンドンとボスニアの2点を行き来しながら進む。10年前にボスニアに行われた虐殺がロンドンでの殺人に絡んでいた。この過去の謎解きを現在にうまくからませながら話しは進行する。脚本がうまい。

ドラマはこの殺人、虐殺のラインを追うことでいっぱいいっぱいだが、女性警部の内面をさらにえぐれば秀逸な作品になったと思う。でも、外形のドラマだけでも前後篇合わせて4時間近くあるから、それはなかなか難しかったのであろう。

イギリスのグラナダテレビは良質のドキュメンタリーを制作するので有名だが、ドラマでも力があることが分かった。

この「姿なき犯人」は私の好きな映画「ミュージックボックス」に少し似ている。「ミュージック」の主役ジェシカ・ラングには共感をもったが、この「第一容疑者」の主役はあまり好きになれないキャラクターだったのが残念。

日本でも「マチベン」の井上由美子などという有望なシナリオ作家が出てきてはいるが、こういう重厚なドラマは久しく見ない。

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by yamato-y | 2007-07-07 23:23 | テレビって何だろう | Comments(0)

発音すること

発音すること

昨日は愉快にして充実した日となった。「文楽」の音入れがうまくいったのだ。
午後2時から811スタジオで、上田早苗アナによってナレーション録音を開始した。90分サイズの番組だ。見るだけで90分かかるということは、作業全体では240分ほどになるかと予想したが、なんと180分で終えることができた。5時過ぎには作業が終了したのだ。事前の準備がうまくいったこともあるが、名手上田アナの功績が大であった。

コメント数は130ほど、台本のページ数は40だから多いとはいえない。むしろ少ない。前半にナレーションは偏っていて、後半はなくても映像だけで伝わるのだ。これは番組としての完成度が高いということを示す徴で嬉しい予感があった。

少ないコメントにもかかわらず作業に時間がかかりそうだと思ったのは、発音である。例えば住大夫さんの場合。スミタユーのスとミにアクセントを付けるのが関東弁だが関西は違う。大阪にも勤務したことがある上田アナは微妙な発音をうまくこなすが、お手本になる発音を正確にはテクストを書いたディレクターも私もできない。そこで無難な共通語の発音にする。スミタユーは平板な抑揚なしで読んでもらうことにした。

この固有名詞の呼び方に相当難航しそうだと、当初予定した。コシジダユー、モジタユー、チトセダユー、といろいろあるのだ。これを上田アナはすべて一回のリハーサル読みで本番をやりおおしたのだ。プロの底力を見た。むろん、発音だけでなく語り口が良かったことは言うまでもない。

さて、初めて知った文楽の決め事がある。住大夫、越路大夫、文字大夫、千歳大夫などの大夫をどう読むかということだ。
最初が二文字の場合は音が濁らずタユー。スミ=タユー。モジ=タユー。
それ以外の一文字、三文字は音が濁ってダユーとなる。コシジ=ダユー。チトセ=ダユー。
ツ=ダユー。ギ=ダユー。となるのだ。一定の規律があるということを知って驚いた。

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by yamato-y | 2007-06-16 07:14 | テレビって何だろう | Comments(0)

クロサワのドキュメントを見て

クロサワのドキュメントを見て

数年前、国際共同制作した黒澤明の伝記ドキュメンタリーを見た。
黒澤の第一回監督作品「姿三四郎」から順を追って作品論を展開してゆく、これといった芸のない番組だ。

ただ、かつて黒澤自身が語った映像を頻繁に使っているので、彼の本音が分かって面白い。
それにしても、赤ひげ以前の黒澤映画は充実している。それに比べて「トラ!トラ!トラ!」以降の作品の弱体化は何と言っていいか分からない。

「七人の侍」のエピソードは書物では読んで、知ってはいるが、実際に助監督だった堀川弘通、スクリプターの野上照代らから直に語られるといかにもありえたと納得する。
3ヶ月の撮影スケジュールが四倍以上の一年かかったというエピソードは、奇跡としかいいようのない。よく、これに東宝当局は許可を与えたものだ。私などは番組予算で百万円も赤字が出たら右往左往するのに、映画会社というのは太っ腹だったのだな。

黒澤が世界の古典を読みこんで人物像を学ぶべきだと言った言葉には共感した。
彼の作品にシェークスピアやドストエフスキーが反映されているのは有名だ。もう一つ、シナリオを立てるとき無声映画だったらどう言う具合に画を組み立てるかを考慮する、という手法は今でも十分通用する手法だ。

だが、黒澤映画の役者の素晴らしいのは、今見ていても感じる。
三船敏郎、志村喬、宮口精二、加東大介、木村功、・・こういう役者がいなくなった。
「酔いどれ天使」だけは見ていない。これを早急に見なくては。

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by yamato-y | 2007-06-06 23:23 | テレビって何だろう | Comments(0)

ニュースの天才

ニュースの天才

映画「ニュースの天才」を見た。2年程前、東京国際映画祭で話題になった作品だったと記憶する。雑誌ジャーナリズムの捏造をテーマにした映画だ。他人事ではない。

この映画は実際に起きた「THE NEW REPUBLIC」誌を舞台とするスティーヴン・グラスのでっち上げ記事事件をモデルにしている。

「THE NEW REPUBLIC」とは、大統領専用機内に唯一冊だけ置かれている、アメリカでも最も権威のあるニュース雑誌だ。政治・経済・外交などの記事が中心で写真は極力排された文章中心の堅い雑誌。
そんな高級誌にも関わらず15名のライター、エディターの平均年齢は26歳と信じられないくらい若い。そこのスタッフライター、スティーブン・グラスは24歳。1998年当時、政財界のゴシップなど数々のスクープをものにし、スター記者として注目されていた。

アメリカではこの若さで署名入りの記事が書ける機会があるのだと、感心する。日本では、少なくともテレビ局では20代というのは正直言って相手にされない。表現、経験ともに浅すぎると見なされる。
 だが、グラスは他誌にアルバイト記事を書いたりテレビにもコメンテーターとして登場したりするなど、この若さで相当な活躍を果たし、高収入を得ていた。上司や同僚への気配りを忘れない人柄から、編集部での信頼も厚かった。

 ある時グラスが書いた「ハッカー天国」という記事が話題になる。ちょうどITが人々の関心を集めていた頃だ。あるハッカー少年の存在に苦慮していた大手コンピュータ・ソフト会社の内幕をグラスはおもしろおかしく描いたものであった。

――少年ハッカーが大企業のウエブに不法侵入して、その企業は頭を痛めていた。そこで企業は代理人を立て、少年とその親に対して交渉に臨む。やがて話がまとまる。少年は二度とハッカー攻撃をしない代わりに企業か多額の報酬を受け取ったという顛末。

ネット社会の病んだ部分を描いたと話題になった。ところが、これを読んだネット雑誌の編集者が、これほど話題になる事件についてグラス以外誰も知らないということに疑念を抱き、「THE NEW REPUBLIC」社に質問をぶつける。
そこで上司である編集長がグラスに記事の詳細を一つ一つ説明させ、その「ウラ」を取って行くことになるのだが、まったく根も葉もないことをでっち上げたということが次第に明らかになってゆくのだ。その少年もいなければ、そういう企業もない、会談が行われた場所へ行ってもそれらしいもんはない。そうやって暴露されていきながらもグラスは編集長の詰問に対しさらに嘘を重ねるのだ。

スティーブンが今まで書いたすべての記事を編集長は調べはじめた。その結果は驚くものだった。彼の書いた記事41本のうち半分以上の27本が捏造記事だったのだ。
この映画の後半で気になるせりふがある。「こういう捏造を起させないことって一つだけある。それは写真を必ず着けること」
たしかに、現場写真があれば捏造を防げやすいように思える。だが、その写真すらでっちあげようと思えばいくらでも出来るのがご時世だ。
実は、こういうグラスのように「お話」を作りたがる人物というのは意外に多いのだ。私の専門のドキュメンタリーでも、実際にあったことかどうか分らないという表現をする制作者というのに2,3人出会ったことがある。これは表現上の「癖」のようになっている人物だ。予め、そういうことを知っていれば当方も警戒するが、初めていっしょに仕事をする人であると、かんたんには見抜くことが難しいこともある。捏造は単に自己顕示欲からだけ起こるのではなく、表現の癖という側面もあるのだと、私は見ているのだが。
さて、この映画の原題は「SHATTERD GLASS」(砕けたガラス)という。邦題のネーミングはやや幼い。


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by yamato-y | 2007-05-19 14:57 | テレビって何だろう | Comments(1)


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