サンガ
今朝は変な疲れが残っている。昨夜、睡眠がまだらだったせいではないだろうか。
還暦の同窓会に出席したのだが、午前11時半開始という不思議な時間設定だった。午後2時まで続いた。2時間半ももつのだろうかと懸念していたが、雑談を重ねているうちに時間はすぐ経った。一同、”高齢化”のせいで食は進まず、呑んでばかり。私もビールコップ一杯。ワイングラス3杯。水割り1杯。を、いつのまにか飲み干していた。おそらく、酔ったと思われる。
その後、カラオケハウスに移動して1時間半ほど過ごしたか。その間にもワインを2杯ほど入れる。そして帰宅した。
5時を回っていたか。夕食をとったら眠くなった。6時過ぎから布団に入る。
目が覚めると、9時だった。体がだるい。テレビをつけて話題の作品NHKスペシャル「病の起源」を見る。名作「人体」のコンセプトを引き継いだという噂だ。MCに樹木希林を起用するなど、作り手の意欲を感じさせた。が、あまりにコンピュータ・グラフィックス(CG)に依存しすぎというか、技術に走り過ぎというか、内容に深みがなかった。無呼吸の病の起源は、人類の石器時代に由来するというコンセプトは面白いのだが、その壮大な文明批評が語りきれていない。[人体]の場合、養老孟司が語るという「自らの意見」があるように思えたが、司会が役者であれば「セリフ化」してしまって説得力が弱く思えた。さらに、論を引き立てる「傍証ドキュメント」が弱いのではないかな。
どうしても「人体」と比較したくなるのだが、それに比べると、中心制作者の”構想力”の差が現れたとみる。
この番組を見て、また寝た。
午前0時、娘が来て、エントリーシートの作文をみてくれとのこと。のこのこ起きてきて1時半までかかる。そのあと眠れず、藤沢の『用心棒日月抄』のページを繰る。繰りながら、カラオケのことを思う。
近年、ひとりカラオケばかりだったから、他の人と同席は久しぶりだった。みんなでワイワイやりながらの熱唱もそれなりにいいのだが、やはり自分のペースで歌ったり、歌の画像に見入ったりするほうが気楽でいいと思う。
座禅は一人で行うより、複数で行うほうがはるかに効能が大きいとは知られている。こうして集まった宗教集団がサンガ(僧)の始まりだという。
カラオケはサンガではなく、むしろ我がまま性を優先するべきか。ただ、ワイワイカラオケのいいのは、知らない歌で好い曲があることを発見できるということ。
―Nスペ「病の起源」で興味深かったのは舌の機能についてだ。言葉を発する大きな役割が舌の活動にあるということを説明していた。肺から送られて来る息を、舌の形態で差異のある音に変化させてできた声が言葉になる。そのメカニズムを頭蓋模型を使って学者が紹介していた場面が心に残った。母国語をマザータングというが、まさにおらが国の言葉は舌の”くせ”によって作られているのだ。おすしをおすす、というのも、ひばしをしばしというのも、その地方固有の舌使い。環境的なものと、人間関係的なものの集約されたものとして、舌のかたちつまり言葉が出来るのだ。学生時代に第2外国語としてロシア語を専攻したとき擦過音という舌の形で難儀したが、何もわたしが悪いせいではなかったのだと、勝手に合理化してニヤリとする。夜更けの思い出し笑い・・・。
こうして、わけの分からないまま、不揃いな時間を過ごした、長い日曜日は終わった。
朝起きると、頭はぼんやりとしている。週の始めからこんなことでいいのだろうか。
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