雪解の風
新しい光に満ちあふれている。
冬の朝の光は本当に粒が大きい。この光が雪に反射してさらにまぶしいものとなっている。
野面を微風が吹いている。穏やかな風だ。雪解(ゆきげ)の風とでもいいたい。
米原を出ると進行方向の右に冠雪した伊吹山が見える。列車はまっすぐ山に向かいふもとで右にカーブを切る。右にあった伊吹が左側に現れる。一瞬くらりとする感覚。
伊吹山山頂付近は雪で真っ白だ。神々しいばかりの白さだ。
先日知ったのだが、世界の降雪記録はこの伊吹山で作られたとか。一方、線路の反対側には鈴鹿山系が連なっている。こちらには雪化粧した山は少ない。遠くの山々が青く霞んでいる。濃尾平野を流れる小川も水をきらきらさせている。水光る、早春の季語だ。
つくづく人間は自然の中で生きていると実感する。句集を読んでいるときも読んでいる自分を取り巻く季節の句がいちばん実感することが多い。無意識に人間は季節を会得しているということを俳句を読むことで再認識させられる。
長良川、木曽川の水量が増している。雪解けによる増水なのだろう。左側の車窓遠くにうっすらと飛騨の山並みが見えている。山間の高山には学生時代の友人が住んでいることを思い出した。彼も今年定年をむかえると賀状に記していた。
ひかりは東へ。
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