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定年再出発  


懐かしい空
by yamato-y
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偽トルストイの偽家出

偽トルストイの偽家出

箱根駅伝が大磯に近づいているらしい。目が覚めるとヘリコプターの爆音が大きくなっていた。二階の居間で息子だけがテレビ観戦しているようだ。他の家人は外出していない。
午後1時半まで、炬燵に入って中継を私も見ていたが、駅伝が終わった時点で私は家を出て都心に向かった。

昨夜の家族の話し合いの意味を、一人で考えてみようと思ったのだ。東海道線で品川までの50分が私を解放してくれる。正月の電車は空いていた。そこで、昨日のことをじっくり考えてみたかった。

番組を作り始めた頃は、理想があった。世の中にある不正や矛盾を、メディアを通して伝える、それは「本当のこと」であった。面白いことや流行りのことは二の次であった。

そうやって来た私が、57歳のとき第1次の定年を過ぎた頃から、制作する指針が変わってきた。本心とは違うと分かってはいたが、これも「身過ぎ世過ぎ」のためと自分を合理化していた。現役が番組編成のヘゲモニーを持っている。退役した私らは彼らの補完的存在かと、考えた。やりたいことより、局が望むことかと、自分の制作基準をずらした。

ちょうどその頃、私は「冬のソナタ」という主題に出会った。元来、ドラマとは縁遠い地点で番組を作ってきた私が、その番組のキャンペーンに手を出した。これまで下目線で見られてきた韓国文化の評価が、このドラマで変わるかもしれないと感じたからだ。そうであれば、たとえサブカルチャーであっても有意義なことだと考えて、1年間懸命に応援をした。この「芸能番組」は日韓関係改善に有意義なのだから、旗を振ることはこれまでの自分と矛盾しないと言い訳をした。

そうして、本来私が携わってきた、障害の問題、核の問題、戦争責任の解明、本当の人生、差別、格差などの主題系から遠ざかった。昔の部下がアウシュビッツ、広島、毒ガス、などを制作していると聞いても、現役は企画できるが退役は”問題作”を企画することはできないだろうと諦め、私の分に立てこもった。
数年前に起きた番組をめぐる裁判が発生して以来、外部に属するわれらは当事者能力が少なくなったと勝手に解釈した。アクチュアルな主題は触らなくなった。そして、私は「あしたのジョー」や「日本のSF」などサブカルチャーの企画に没頭した。

地方局で番組を作っている息子は、そういう私のあり方を、今回作品を通して批判した。特に最新作「日本のSF」は志のない、最悪の作品だと彼は断じた。かつて、津田投手の「もう一度、投げたかった」を作ったときような熱い思いなどまったく消えた番組だと。オヤジは自分を見失っていると痛烈に言う。

私は返す言葉がなかった。息子の言う通りである。近年の私のジタバタは、単なる老年期の問題ではなく、本当の作品を作っていないこと、本当にやりたいことをやっていない、という自分に対する不満から発しているということはうすうす気づいていたからだ。

批判するだけでなく、息子はある提案をした。表現する場はテレビしかないと考えるのは正しいだろうかと。デジカメが発達し、パソコンで編集が出来、ネットで映像が簡単に流れる時代に、映像表現はもっと別の場でもあるのじゃないかと、忠告する。

私は恥ずかしかった。負うた子に教えられた。
息子の言うとおりである。近年のテレビの頽廃、没落を非難しながら、自らその推進を果たしていたと批判されてもしかたがない、最近の私の番組作りであった。

 私は初志に戻らなくてはならない。本当に、これをやりたいかと問わねばならない。
おそらく、そういう道は険しいだろう。私がやりたいと思うことを、局はおいそれとやらせてくれないだろう。「本当のこと」より楽しく、大勢の人に喜んでもらえるものをと言うだろう。私の企画は当分採用されないことが続くだろう。

ま、いいか。開き直ってみるか。テレビが駄目ならネットがあるさ。
組織に恋々とすることはもう振り切ろう。あえて、ここで表明して、自分を追い込んでいこう。

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by yamato-y | 2008-01-02 16:33 | 新しい番組を構想して | Comments(0)
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