さびしんぼうの世界2
なぜか、坂道が好きだ。坂の途中から見る下界の風景が好きだ。とりわけ、夕暮れ時。
街にぽつりぽつりと灯がうるむ頃がいいのだ。
大林宣彦はふるさと尾道を舞台にする気持ちはすごく分かる。
ところで、実際の尾道は映像とかなりかけ離れていて、はっきり言って貧乏くさい街だ。
昔、京都の高家の荘園だった頃は、りっぱな寺院が並ぶ地方都市であったのかもしれないが、今はこれといった産業もないうらぶれた街だ。
その町を、大林が撮るとがぜん素敵な光景に変わるのだ。
坂の途中の三叉路のようなところを、大林はこだわるが、私もそこが好きだ。
今夜、私の住むもみじ山の麓で、ちょっとした発見をした。
さびしんぼうのヒロキが橘百合子を送ってきた帰り道、うきうきした気分で家路を急ぐ場面で、坂の三叉路にあの「さびしんぼう」がしゃがんでいるのを発見する、あの場面だ。
同じような光景をもみじ山山麓に見つけた。曲がり角に街灯がぽつんと点いている淋しい光景だ。ここは、時には父を迎えに来た姉妹が待つトトロのバス停にも似ているが。
もみじ山の山道を汗をかきながら登る。鼻歌を歌いながら。メロディはショパンの「別れの曲」。・・・・・らら、さびしんぼうーーーー。
ああ、今夜はすっかり酔っている。壊れている。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング