定年再出発 |
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ラ・マンチャの男よ
『ドン・キホーテ』はリアリズム小説だったんだ。うかつにも私はこれまで教養的な文学史に惑わされ、「寓話」だと考えていた。妄想につかれた老騎士が諸国を漫遊し、最後に巨人とみなした風車に立ち向かって跳ね飛ばされるという17世紀の滑稽な「小説」だと『ドン・キホーテ』を認識していたのだが、どうも違う。 私が読んだのは少年少女向けに書かれた『ドン・キホーテ』だったから、原作とどれほどあっているかは分からないが、その本に出てくる描写などは思い返せばそこに書かれてあったことはほとんど事実そのものではないかと思いにいたる体験を昨夜した。 ラ・マンチャ地方に住む貧しい郷士、ドン・キホーテ。彼は当時流行っていた騎士道小説が大好きで、そのことに夢中であった。やがて彼は騎士道精神に憧れるあまり精神の軸を失って行く。 その揚げ句、彼は騎士になって世の中の不正を正すことにした。諸国を遍歴するのだ。つまり水戸黄門をめざした。格さん助さんの代わりに従者にサンチョ・パンサと老いぼれた馬ロシナンテを連れ出す。 行く先々で勘違いした騎士道を発揮して農民や店主にバカにされるも、実際に槍を使えば本格的であったりして、周りの人間たちもあながち軽視することもできない。そのうちに、悪しき巨人と見たてた風車と闘うことになる。まなじりを決して駄馬ロシナンテに乗り、大槍をかかえて風車に向かって突入する。喉は渇くし、膝はがくがくし、心臓はバコバコ。30基もある風車に挑んでは吹き飛ばされ、さらに挑む。ドン・キホーテの「ドン・キホーテ」たる面目役如の場面だ。ここを思い出し、これは滑稽話でもなく寓話でもなく現実に起こったことだと確信したのは、昨夜、ロケの構成を立てていたときだ。 25年ぶりのディレクターをやっている。前にも書いたが、プロデューサーとディレクターでは役目の違いから、行動量がまったく違う。ディレクターは実際に現場へ出かけてスタッフを束ねて撮影、取材を行い、戻って編集する。例えば、ロケ前の段階でも撮影の要件をすべてメモして構成しなくてはならない。今、私はその段階にいる。これが大変なのだ。 90分のドキュメンタリーの構成要素を撮影に適合するように作り上げるには、資料を読み資料映像を試写し、細かい字で17ページにも及ぶ構成表を仕上げる。途中で、これまで撮影したインタビューを書き起こして、その情報を付加していくのだ。すなわち、細かい書き文字とパソコンの文字が錯綜して作業を進める。実際に、あるシーンを造り始めると一挙に3時間ほどかかる。時間を忘れて根を詰める。集中力だけは衰えていないから2、3時間があっというまに過ぎる。一日にこれを四回ほど繰り返すといつのまにか時計の針はてっ辺を指す。気がつくと、目はしょぼしょぼ、おまけにひどいときは心臓が波打ち、腕はもはや書徑もどき。ドン・キホーテ状態に陥っているのだ。 60歳近くにディレクターをやる人はいる。でもそういう場合はほとんど巨匠扱いで、助手が数人いてたいていのことは他の人がやってくれるのだ。少なくとも今の私のような環境ではないと思う。でないと、こんな「肉体労働」はつとまらないのだ。これが肉体労働である証拠は朝起きると目やにがいっぱいたまって、体が疲労でだるいことだ。こんな状態を経験するのはずいぶん久しぶりだ。 私は14年前過労で脳内出血をやった。以来、健康にはかなり注意してきた。今回は多少無理をしているが、それでも危険信号がともったら、さっさと撤退するつもりだ。それぐらいの知恵と勇気は加齢とともに備えた。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
by yamato-y
| 2007-08-11 11:28
| 登羊亭日乗
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Comments(1)
Commented
by
tomo
at 2007-08-13 07:50
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久しぶりの書き込みですが、ずっと読ませていただいてました。
この猛暑の中、精力的に働いていらっしゃるようで頭が下がります。 どうぞお体には充分お気をつけくださいませ。
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