1963年SFの旅
暑い。明日は8月6日、広島の日か。この時期は日本の夏の盛りだ。炎暑だ。
朝から、扇風機を回しながら、ビデオの書き起こしをやっている。クーラーは体の芯を冷やすというのでとろいが扇風機使用となる。
先日収録したSFの巨匠たちのインタビュー起こしだ。小松、豊田、筒井と来てようやく最後の石川喬司まで来た。しゃべっている内容を一字一句書き起こすのだ。ビデオを10秒ほど再生して、ノートに書きうつす。こつこつと単純な作業だ。日盛りには汗がノートに落ちた。日がかげりヒグラシが鳴き始めてようやく人心地する。
日本SF作家クラブが出来た1963年当時の逸話を拾い集める作業をやっているのだ。今では巨匠然としたこれらの作家の青春は破天荒のようにみえて生真面目だと思う証言がいくつも出てくる。
当時、SFは子供の遊びのようなもので、文学の対象として文壇から見られていなかった。石川喬司は見るからに謹厳な人物であるが、その彼がSFをやっていると言うと、相手が怪訝そうな顔して「ずいぶん変わったご趣味で」と皮肉をいわれることはしばしばだったそうだ。SFとSMを間違えているわけだが。当時の認識はそんなものだったのだ。
大人は偏見をもつが子供はない。むしろ面白いものを発見するのは柔らかい頭脳だった。
初期のSF作家たちが活躍した場所は、中学1年コースとか高校時代とかいった学習誌だった。筒井康隆の名作「時をかける少女」もそういう学習雑誌でデビューしているのだ。
この“起こし”の作業で昨日今日と明け暮れた。愚直な作業だがこれをやらないと、番組構成の柱が立たないのだ。何もなければこんな日には海でもいくのだが、スケジュールが迫っていて余裕がない。汗をぬぐいつつまたパソコンとビデオに向かう。このブログの記事を作成したのも“起こし”ばかりでさすがに単調なので気分を転換させるつもりで書いた。だが、きちんと考えて書く余裕がなく、タイトルばかり出来て内容が追いつかなかった。
ところで、先日、敬愛する先輩から暑中見舞いが来て、文楽三味線の作品がよかったと書いてくれていた。衛星第2で放送したとき見てくれたのだ。
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