古いレジオからの
夏のボーナスが出たので少しだけ贅沢をした。自由が丘へ行ってイタリア料理を食べたのだ。
東横線の自由が丘駅の南口裏通りにあるレジオという店だ。28年前に武蔵小杉に住んでいた頃にはよく行ったものだ。ピッツアが美味しくて安かった。その頃あった場所から20メートル先へ移転したが店は今もある。最後に行ったのは20年前だったが、今回も店は健在だった。
昔あった場所は隣が古本屋だったので便利だった。ここでスペイン内戦関係や映画演劇系の書籍をずいぶん見つけたものだ。この店は同じ場所にまだある。昨夜も入って棚を小半時眺めた。
駄目だ。口当たりのいい本ばかりになっている。仙花紙のざらざら紙に印刷されたような戦後まもなく出版されたような古書は減って、昭和50年代以降のこぎれいな書物が中心の棚に変わっていた。
レジオはピッツアがうまい。敷き皮が薄いのだ。それにクリームに味があって、熱熱のものはとびきりうまい。アンチョビ、マッシュルーム、えび、の入ったものとミックスの2枚を注文する。月桂樹の細かく刻んだものを降りかけタバスコを少し垂らしてかぶりつく。ほくほくして最高だ。さらにドリアとサラダを肴にしてハートランドビアをくっくっと飲む。
オープンキッチンなので厨房に立つマスターが見える。30年前の黒かった頭はつるっぱげになっていた。口ひげにも白いものが混じっている。マスターが変わったということは、私もそれぐらい変化したのだろう。
満腹になったので、久しぶりに自由が丘を歩いた。「ほもほもセブン」とあだ名していたメンズショップも店をたたんでいた。男二人でやっていたイタリア服の店だったのだ。私はここでエジプトマコ綿の美しいグリーンのえりポロシャツを買ったことがあって、長く愛用していた。ピーコートを買ったショップもなかった。代わりに「GAP」があった。今やこういう大手チェーンの店舗ばかりが増えている。
自由が丘の表口にまわる。大井町線の踏みきり側にあった古書店がなくなっていたのでがっかりしたが、よく調べると裏通りに引っ込んで店をはっていた。よかった。町の通りは昔のままだが洋服屋や食べ物屋の店舗はほとんど新しい店に変わっている。アンナミラーズはある。ここのパイもよく食べた。ケーキショップで喫茶店のモンブランはしっかり残っていた。ここのモンブランケーキは元祖と聞いたが、とてもうまいのだ。が8時を過ぎて閉店していた。
この町は慶応大学のエリアだ。町の至るところに「ケイオーユニブ」と書かれたシャツを着た若者がたむろしていた。電車は便利になっていて、この自由が丘から目黒まで一回乗り換えで行ける。大岡山で地下鉄に乗りかえると車内はがらがらだった。
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