春ワル、第2夜「虹の貝殻」
なかなか快調
「春のワルツ」の第2夜「虹の貝殻」が、昨夜放送された。この物語の“前史”編というか、これから展開するプロットのすべての前提となるものが提示されるパートだ。「冬ソナ」でいえば高校時代を表した部分にあたる。
子役が演じる部分なので物語の興趣が殺がれないかと心配していたが、杞憂だった。二人の子役にベテランの脇役がドラマをきっちり引き締めていた。
話は15年前にさかのぼる。嘘つきで賭博師のチョンテは、息子のスホを連れて故郷の島に帰ってくる。わけがあってソウルを追われたのだ。こどもを親に預けるつもりが死んでいてあてが外れる。そこへ幼なじみのヘスンが現われる。ヘスンは娘のウニョンと二人暮らし。体の弱いウニョンに手術を受けさせるため、懸命に働き、お金を貯めていた。
チョンテは嘘をつき、ヘスンにスホを預ける。スホはチョンテに置いていかれた。仕方なくスホはヘスンの家で暮らすことになる。
ウニョンと同じ小学校に通い始めるスホ。勉強はさっぱりだったが、ウニョンのお陰で徐々に周囲にもなじんでいく。スホを「お兄ちゃん」と慕うウニョンであった。
この幼い二人が互いに近づいていく浜辺で、鍵となる「虹の貝殻」がウニョンからスホにプレゼントされる。そして、その舞台となる浜辺が放送前から話題になっている「ハートビーチ」だ。
物語基礎編で甘いロマンスもなく観客の興味を途切れさせなければいいなと心配していたが、意外に薄情なダメ父親物語は飽きさせなかった。少女ウニョンが可愛い。
なにより景色が美しい。島の麦畑、菜の花畑は見るものをひきつける。単に景色を撮るのでなく、かくれんぼという大切な遊びをからめて見せるのだから、ユン監督の手はこんでいる。
この春、ロケ地青山島へ私は行ったが、そのときも感じたのが島の風(パラム)だった。海風が予想以上に強いのだ。その風が麦畑をわたるとき、穂がいっせいにさやさやと揺れる。風の道が見えるのだ。
一つだけネタばらしをしておこう。スホとウニョンが雨宿りをする場面だ。村の鎮守の森のような広場にある屋根付きのベンチ。実は、これはユン監督特製だ。こういうシーンにふさわしいものとして、自分でデザインしたのだ。
この第2回での、注目のブツは。虹の貝殻、屋根付きベンチ、ハートビーチ。
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