人間落ち目が大事
『日本共産党』という新書が12万部も売れているそうだ。筆者の筆坂秀世は共産党の元幹部である。セクハラの責任をとって先ごろ離党した。その彼が長年にわたって見聞してきた共産党を内部から描いたのが本書だ。
「正論」という筆坂の経歴に真っ向から対立する雑誌で、これまた鈴木宗男スキャンダルで外務省を追われた佐藤優と筆坂は対談していた。
筆坂は離党したからといって利“敵”行為をするつもりはないと、対談の冒頭で語っているが、結果として共産党の暗い部分を暴露し、党のイメージを損なっているということは否めない。
この対談のなかで。筆坂は「人間、落ち目が大事」と力説している。セクハラスキャンダルで窮地に追い込まれたとき、筆坂は実感したという。
●落ち目のときこそ、本当の友人が分かるものだ
●落ち目のときこそ、努力をするべきだ。それだからこそ次の展望が見えてくるのだ。
この2つの点を筆坂は強調する。2点目の努力すること、はなかなか意味深長だ。落ち目のときはともすれば、その不遇を呪い嘆き悲しむことになりがちだ。だが、そうやってあがいたところで事態が解決し浮かばれるということはめったにない。
その逆境にあって、そこから反転するのは恨み節ではないということだ。自殺すら考えた筆坂の言とすれば、よく耳を傾けたい。
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