とうとうやってしまった。
大磯に住んで一番恐れていたことがおきた。昨夜8時過ぎの恵比寿発国府津行き電車に乗った。順調に走って9時15分には大磯へ着き我が家へ車で向かった。
9時20分過ぎには我が家の前にいた。車を返し玄関の鍵をあけようとした。ふと、鍵を目黒のアパートに置いてきたことに気づいた。嘘だろう。冗談だろうと思ってカバンを探るが出てこない。やはり置き忘れている。
よく思い出してみると、たしかに目黒のアパートの入り口にかぎを放り投げたままにした、その記憶がある。
といって、大磯の家の合鍵は先日物騒だから屋外に置くのをやめたばかりだ。我が家は入り口は一箇所しかない。あとは窓は殺し窓になっていて半分しかあかない。猫ならともかく人間は無理な大きさだ。いくら思案しても我が家へ侵入することができないことを、だんだん思い知る。
冗談じゃない。これから目黒までもどったら着くときは11時を回ることになる。かつ疲れてしまう。怒りがこみあげる。でも誰のせいでもない。みんなオイラが悪いのさ。
こんなことなら東京までもどらず、平塚か茅ヶ崎あたりでビジネスホテルでも泊まるか。でも、6800円くらいはとられるな。それも嫌だ。ばかばかしい出費だ。
ええい。帰ろう。目黒へ帰ろう。駅まで走ってくだるか。
普段ならびくびくする山道を、今夜は怒り狂っているから怖くない。お化けでもなんでもやってこい。来たらはらいせに殴ってやるぞ、という形相で夜道を下った。
夜道を吼えながら走っているうちに、だんだん馬鹿らしくなってきた。
いつかやるかもしれないと予期していたことがとうとう起きたのだ。
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