イギリスで見た俳句の世界
この数年イギリスでは俳句が注目されている。ヨークからエジンバラまでの列車の中で乗り合わせた老婦人は俳句の入門書のようなものを読んでいた。
大英博物館へ行ったらショップに俳句カレンダーが売られていて、売り場のいちばん目立つところにあった。大英が所蔵する日本画にあわせて江戸期の句が並べられ英訳が付与されている。へー、こんな俳句の気分なんかもイギリス人に分ってもらえるのだと感心した。その例を紹介する。
2月の句
雪とけて村いっぱいの子ども哉
Snow melts and the village floods with
children
11月の句
かぜ一陣水鳥白く見ゆるかな
A sudden sqall and the birds by the water is turning white
これは蕪村の句である。
そして、いちばん感じ入ったのが、ここに掲げた画についていた、8月の句
夕立にひとり外見る女かな
A summer shower ――
A woman sits alone gazing outside
榎本其角の句。
これは大英博物館が所有する鏑木清方の画だ。句とはまったく関係ない作品だ。別にこの句のために書かれた作品ではない。むしろ、この画に合う俳句を学芸員が探してきたと言っていいのではないか。イギリスの人たちがいかに俳句の心をよく理解しているかということだ。
日本人固有の感情と私たちが思い込んでいるものでも、実は普遍性があるということを,改めて私は認識した。
ひょっとすると、HAIKUは世界に広く伝わるのではないだろうか。そんな予感がする。
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