ペタペタを読みながら
昨日の「山の日」も今日の土曜日、明日の日曜日もまったく関係ない。毎日が日曜日の夏休みだと、今何曜日だったか忘れることもしばしば。昼から酒を飲んでも咎められることもなく、ネットサーフィンして不倫記事を読みふけっても文句も言われず、ご大層な身分だ。
しかし、こんなにホリディが続くとさすがに居心地が悪い。なにかずる休みをしている罪悪感がむくむくと頭をもたげてくる。そんなこと気にするなと言い聞かせても、47年間つちかった勤め人根性は一朝一夕には消えない。
面壁5分。「そうだ、月末の集中講義の授業案を再考しよう」と思いついた。8月28日の月曜日から9月1日の金曜日まで京都の大学で開講する映像メディア論。連続5日間にわたって、終日映像メディアをめぐっての議論を展開するのだ。私が一方的に話をするのでなく、学生諸君の反論、批評に期待をしている。このスタイルはもう5年程続けているが、今年はより活気づく議論を引き出したい。どうすれば学生の重い口を開くことができるか、これを角を飲みながら考えることにした。(これをカクウチという)
去年同講座の実施したノートをなぞるなんてことはしない。むしろ、今年のM大学で講じた映像論をたたき台にしよう。そこで、15回あった授業のそれぞれのサブテーマをペタペタ(ポストイット)に書き出し、ベッドの横の壁に貼付けてみた。
1、ドキュメンタリー(番組)には作為あり
2、人間を描くことが最高
3、死者も主人公だ、ただし映像は過去を描くのが苦手
4、映像の編集はEDITでなくCUTだ、モンタージュという武器
5、自分なりのライフワークを作ろう
6、サブカルチャーも立派な対象(ターゲット)
7、カメラマンの偉大なチカラ
8、アートドキュメンタリー/止まった画をどうやって動画に
9、証言はチカラ、インタビューはタカラ
10、社会変動・その1 日本人と戦争
11、社会変動・その2 被爆の苦
12、社会変動・その3 人災/不条理な被曝
13、社会変動・その4 世界の戦争
14、作為と悪意
15、まとめ
授業の一こまは90分あるから、テーマに相応しい見本を一部試写をすることになっている。大半が私自身の作品である。例えば、3は「もう一度、投げたかった」で、主人公は故津田恒美投手。5は大江健三郎の生き方ということで、「響きあう父と子」。6は戦争画で小早川秋聲をとりあげている。私以外の人が作った作品も数本あって、10は若い女性ディレクターの「祖父と鉄砲玉」。12は3・11の名作「ネットワークが作る放射能汚染地図」。
さて、ここからが思案。もっと大胆に映像の特性を訴える構成ないしは素材はどうしたらいいか。本番まで2週間あるから、ひとつじっくり考えて行こう。
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