句仲間、猫翁さん
11月の句会が昨日目白であって出席した。8人ほど集まったのだが、4人は私も初めての若い20代30代の会員。馴染みの古い仲間は、みな病気で闘病、入院の境遇にあるということを知る。
私をこの句会に紹介してくれた猫翁さんも、泌尿器の癌と現在闘っていて、11月の会には出てきていない。10月はひょろひょろしながらでも参加していたのに、あの飄々とした猫翁さんの風貌に接することができないことはさみしい。
それでも投句だけは精力的で、雑句、兼題句にはすべて出品していた。
「立冬」のお題にあてた彼の句
口吸われ冬晴れ見たり少女の目
下5の目がいまひとつ工夫のいるところだが、句全体の風情はいかにも猫翁さんらしい諧謔に満ちていて、健在であるなと少し安心した。
ところが、それ以外の句は――
切り取らる空の一部よ冬病舎
生キテイル小声デ言ッテ悴(カジカ)メリ
寝首のせ枕を冬の海引ける
篤い病を思わせる字句が並んでいることが気にかかった。
石田波郷の療養句、境涯句のような作品があるから、病の身をうたうなとはいわないが、ノゾミのある闘病とは思えないような作品が陰々と並ぶと、大きな声で猫翁さんに「やめろ」とどなりつけたい気分。
でも、あの皮肉屋の猫翁さんがかほどこぼすのはよほど容態はよくないのかなと心配が頭をもたげて来る。
「ニシニ ビョーキノトモアレバ イッテガンバレト ハゲマシ」てあげたい。
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