4月への準備
春からふたつの大学で映像論を教える。明学大では映像メディア論、武大では映像アーカイブ論。似ているが、微妙に違いがある。当然、授業で使用する映像作品も重なるものもあるが異なるものもある。その作品の選択と作品研究をいまのうちに仕込んでおかねばならない。
アーカイブ論のテーマは変動と映像。人生の変化、社会の変動を映像はどんなふうに表して来たかということを追究していこうかなと考えている。
そこで自分がこれまで作って来た作品も利用しようと目論んでいて、その作品のDVDを試写してチェックしている。
昭和の終わりという変動期。私は40歳でもっとも活動していた時期となる。世界では社会主義の国がばたばたと衰亡していき、国内では美空ひばりや著名な人物が倒れたりしていた。そのひばりの人生をドキュメントすることになる。「廃墟に流れる悲しき口笛」。美空ひばりという不世出の歌手の人生を描きながら同時代の庶民の歴史を記録するという仕掛けの番組だった。なぜ、そういう手法をとったのかということを今回想して、テイクノートしている。
歌謡曲の出来事が社会の動きと関わりがあるなどという命題は当時まだ新しかった。自分でも半信半疑で取材を重ねていた。迷いつづけた私をしっかりやれと励ましてくれたのが、若くして亡くなったドキュメンタリストの工藤さんだった。名プロデューサーだった工藤さんの制作したフィルムドキュメンタリーの大半はまさに社会変動を主題にしていたといって過言でない。
ということで、工藤作品をあらためて見直すという作業に変わっていた。
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