仕事のあいまに、ちょこっと書き付けた
いつかある日で始まる歌。
高校生のころよく歌ったものだ。山男のいきがった心意気を示したこの歌は、主人公になった気になり歌っているうちに陶然としたものだ。
いつかある日 山で死んだら 古い山の友よ 伝えてくれ
夜は、試験勉強のふりをして立原道造のを一心に読んでいた。
夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を
北陸の雨ばかりの風土をいつか脱出して、信州の青ざめた冷気の世界へ行くのだと思い込んでいた。私はいまでも立原道造が好きだ。
もうひとりの老いたというか成熟した私が、苦々しそうな顔で、この詩を眺めている。
久保田万太郎の詠むずかずかした句の世界からみれば、そりゃあ、センチメンタルでいけねえやい。還暦を越えてどういう了見だ。と小言を言っている。
昨日の句会でちょっと評判をとった私の句。
致死量の空の青さと料峭と
ロンドンの支局のディレクターが、日本での仕事を終えて明日帰ると挨拶に回っている。立原のころだったら、支店といってもせいぜい仙台あたりだったろうが、いまではロンドンか。
立原と若い妻が駅のホームで別れたとき、汽車の煤煙がそこここにしただろう。そのにおいの世界のほうが遥かにロンドンより懐かしい。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング