古い
放送管理も日進月歩。かつては紙の伝票で、報告していた事項もすべてパソコンのなかの処理となる。それができない。
まず、該当画面を引き出せない。そこで隣の人やパソコンに強い人を呼んで、やり方を聞く。ときには、私に代わって操作してもらう。傍でチンプンカンプンの私はぼーっと立っている。
番組制作のときは、怒鳴りあげてシゴいている若手に、伝票作りのときはねこなで声で呼びかける。「ちょっと・・。忙しいところ悪いんだけどさ」と遠慮がちに声をかける。
若手は、普段の緊張した顔と違って、いきいきした表情でやって来て、「どうしたんすか」と横柄に(私からはそう見える)に上目線で話しかける。
「あのさあ、新聞のラテ欄の宣伝文句を書くのはどうすればいいかな」
わずか25文字のキャッチフレーズを、放送される数日前には作っておかないといけないのだが、これもパソコン処理。昔は升目を自分で描いて、そのなかに字数を数えながら埋めたものだ。今はすべてパソコンで打つことになっている。それができないから、今朝叱った若手に、今度はもみ手をして教えを乞うしかない。
時代についていけない、と類語事典を引くと「古い」と出た。
30年ほど前、ビデオレコーダーが発売された頃。ビデオ予約が便利だと話題になった。私ら若手はすぐ覚えたが、定年近くのベテランたちはなかなか手順が覚えられなかった。これぐらいのことがなぜできないのだろうと、頭が悪いんじゃないのと疑った。今、その因果がめぐってきて、私が頭悪いんじゃないのと疑われる立場となった。
デパートのことをデバード、アパートのことをアバードと発音する祖母を嗤った。
モデムとルータの差異が分からない私は祖母なみだ。拡張子とは新聞の拡張促進者だと半年前まで思っていた。ブラウザとはプラザの親戚でセンターのようなものか。パソコンを3台使用しているが、その機能の10パーセントも使っていないだろう。
時代についていけない、は「古い」。
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