連休初日
土曜日で連休の初日。午前中に品川駅に行った。大磯までの電車を待つ間、客の模様を観察した。久しぶりにホームは賑わっている。伊豆まで行く踊り子号に乗ろうとする客が数百名いた。家族連れが多い。そろそろ夏休みか。
私はといえば、熱海まで行く湘南電車の1号車に乗って、焼酎の水割りを片手に南木佳士のエッセーを悠然と読む。悠然とというのは、前に座った若い男女がはしゃいで煩いから、わざと悠然ととしている。63のオッサンは実はまだ悠然とには程遠いのだが。
大磯では、海水浴客がばらばらと降りた。こころなしか女子が多い。いつもいるはずの男子高校生のとっぽいのが見えない。丸刈りでサングラスをかけて調子こいているあのむくつけき男子の姿が見えないとちょっと淋しい。
今は女子の時代か。なんといってもなでしこジャパンの活躍は尊敬に値する。わずか30年で世界のトップだよ。体や体力のハンディなどを言い訳にせず、ゲルマンやノルマンの大女相手によく闘ってきた。今の日本は女の底力でもっていると、誰かが言っていたが、それほど違っているとは思えない。
真夏のツヴァイクの道を行く。木漏れ日が美しい。いつも以上に濃い影と光。森のまだらがいっそう迷彩となる。真夏の光のなかを、ゆらりと揚羽蝶が飛んでいく。
サントリーの角のハイボールのプルトップを開ける。途中の石段に座り込んで、ごくごく喉をならす。
石段の偶数までのいのち夏
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